外国人の子ども 約1万人が「不就学」のおそれ 文科省調査

小学校や中学校などに通えていないなど「不就学」のおそれがある外国人の子どもの数は、全国でおよそ1万人に上ることが、文部科学省の調査でわかりました。

この調査は、外国人の子どもの就学状況を把握しようと、文部科学省が全国の市区町村の教育委員会を対象に行ったものです。

それによりますと、去年5月の時点で、住民基本台帳に登録されていた小中学生の年齢にあたる外国人の子どもは合わせて13万3310人で、このうち不就学のおそれがある子どもは7.5%にあたる1万46人に上っています。

内訳をみますと、自治体が、
▽小中学校や外国人学校に通えていないことを確認した子どもが649人、
▽電話や家庭訪問などで確認を試みたものの確認できなかった子どもが8597人、
▽就学状況の把握に至っていない子どもが800人となっています。

不就学のおそれがある子どもの数は、各自治体による把握が進んだことから、前回、2年前の調査と比べ、5割近くにあたる9400人余り減ったものの、依然として1万人を上回る状況が続いています。

文部科学省は「教育が行き届いていない子どもがひとりでもいる状態は適切ではない」として、各自治体に対し、家庭訪問などといった就学状況の調査や、日本語指導員などの専門の人材の雇用について、国が設けた補助金を積極的に活用するよう呼びかけています。

“特別支援学級で学ぶ外国人の子ども” の在籍率を初調査

外国にルーツがある子どもたちをめぐっては、障害がある子どものために学校に設けられている「特別支援学級」で学ぶ割合が高いのではないかという指摘が相次いでいて、今回の文部科学省の調査では、この課題についても初めて全国規模の実態調査が行われました。

公表された速報値によりますと、外国出身であったり保護者が外国人であったりして「日本語の指導が必要」とされた子どものうち、全国の公立の小中学校の特別支援学級に在籍する割合は、全体のおよそ5.1%で、おおむね「20人に1人」にあたるということです。

一方、それ以外の「日本語の指導が必要ではない」子どものうち、特別支援学級に在籍する割合は全体のおよそ3.6%で、おおむね「30人に1人」でした。

この調査結果について、愛知県豊田市で外国人の子どもを多く診察してきた医師の高橋脩さんは「外国人の子どもについては、発達の遅れや問題行動がみられる場合に、それが何らかの障害によるものなのか、それとも言語や文化などの環境が原因なのか、見極めが難しいという声を、教育現場などから多く聞く」と指摘しました。

そのうえで高橋さんは「日本語指導が必要な子どもは特別支援学級の在籍率が高いことが分かったが、特に何の障害が多いのかなどについて、文部科学省は細かく分析したうえで、特別支援学級に入る際の検査方法や判断基準について、自治体任せにせずに指針を示してほしい」と話していました。