コロナ新規感染者数 約1か月半 緩やかな減少傾向が続く

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国ではおよそ1か月半にわたって緩やかな減少傾向が続き、3月21日にまん延防止等重点措置が解除された18の都道府県でも、前の週より減少しました。

NHKは、各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について、前の週と比較してまとめました。

全国

▽2月24日までの1週間では、前の週に比べて0.88倍
▽3月3日は0.92倍
▽3月10日は0.86倍
▽3月17日は0.90倍
▽3月24日まででは0.76倍
と、6週連続で緩やかな減少傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数は、最も多かった2月上旬と比べると、5万4000以上減って3万8830人となっていますが、依然として多い状態が続いています。

地域ごとに見ても、3月21日に重点措置が解除された18の都道府県を含む44の都道府県で、横ばいから減少傾向となっています。

3月21日に“重点措置”解除の18都道府県

3月21日に重点措置が解除された18の都道府県では、感染者数が多い状態は続いているものの、いずれも前の週よりは少なくなっています。

【東京都】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.83倍
▽3月17日は0.87倍
▽3月24日まででは0.78倍
と、6週連続で緩やかな減少傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数は6352人で、直近1週間の人口10万あたりの感染者数は316.52人と、全国で最も多くなっています。

【神奈川県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.91倍
▽3月17日は0.92倍
▽3月24日まででは0.72倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ3787人となっています。

【埼玉県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.89倍
▽3月17日は0.97倍
▽3月24日まででは0.81倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ3050人となっています。

【千葉県】
▽3今月10日までの1週間は、前の週の0.92倍
▽3月17日は0.91倍
▽3月24日まででは0.74倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、2223人となっています。

【大阪府】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.73倍
▽3月17日は0.82倍
▽3月24日まででは0.66倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ3190人となっています。

【京都府】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.80倍
▽3月17日は0.88倍
▽3月24日まででは0.66倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ688人となっています。

【兵庫県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.87倍
▽3月17日は0.80倍
▽3月24日まででは0.70倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ1688人となっています。

【愛知県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.81倍
▽3月17日は0.80倍
▽3月24日まででは0.75倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ2207人となっています。

【岐阜県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.80倍
▽3月17日は0.89倍
▽3月24日まででは0.80倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ388人となっています。

【北海道】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.81倍
▽3月17日は0.92倍
▽3月24日まででは0.93倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ1426人となっています。

【その他】3月24日までの1週間では、
▽青森県は前の週の0.92倍
▽茨城県は0.85倍
▽栃木県は0.92倍
▽群馬県は0.81倍
▽石川県は0.63倍
▽静岡県は0.73倍
▽香川県は0.79倍
▽熊本県は0.63倍
と、いずれも感染者数は前の週より減少しています。

21日より前に解除された地域

3月21日より前に重点措置が解除された地域のうち、広島県や福岡県など、ほとんどの地域では緩やかな減少傾向となっていますが、沖縄県などでは増加しています。

【広島県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.97倍
▽3月17日は1.09倍
▽3月24日まででは0.90倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ655人となっています。

【福岡県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.86倍
▽3月17日は0.89倍
▽3月24日まででは0.75倍
となっていて、一日当たりの新規感染者数は、およそ1693人となっています。

【沖縄県】
▽3月10日までの1週間は、前の週の0.86倍
▽3今月17日は0.91倍
▽3月24日まででは1.06倍
と、前の週より増えています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ660人で、直近1週間の人口10万あたりの感染者数は314.62人と、東京都に次いで2番目に多くなっています。

【その他】3月24日までの1週間では、
▽長野県で前の週の1.10倍
▽鹿児島県で1.05倍
と、前の週より多くなっています。

専門家「まだ第6波のさなか 対策とりつつ日常の生活に戻す」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現在の感染状況について「減少のスピードは少し早くなっていると言えるかもしれないが、全国では一日に4万人前後の感染者が出ている。第6波のピークの半分より少し減った程度で相変わらず多く、まだ第6波のさなかにある。まん延防止等重点措置は解除されたが、少なくとも4月中くらいまでは対策を続けていくことで、なんとか第6波を乗り越えていく必要がある」と話しています。

今後の見通しについては「卒業式や入社式、送別会や歓迎会など、人と接触する機会が増えることや、より感染力が高いとされるオミクロン株『BA.2』もあり、今後は感染者数が減るスピードがもう少し緩やかになって、最悪の場合、再増加が起こることも予想しておいたほうがよい。ただ『BA.2』については、日本では、ほかのオミクロン株『BA.1』が広がった中での置き換わりとなり、感染者がある程度反転増加しても、それだけで急増していくことは考えにくいと思う」と話しています。

また、求められる対策について「西ヨーロッパでは規制の緩和によって、感染がやや増加しているが、追加のワクチン接種率が5割を超え、感染者は出ても重症化する人が少ないから、規制の緩和が可能になっている。日本は3回目の接種率が3割を超えた段階なので、5割以上に持っていくことが、まずは大事だ。マスクをする、人との距離をとるといった方法をうまく使いながら行事を実施するなど、対策をとりつつ日常の生活に戻していくことが、この1か月の課題だ」と話しています。