北朝鮮 朝鮮中央通信「新型ICBM『火星17型』発射実験に成功」

北朝鮮は24日、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17型」の発射実験に成功したと25日発表しました。
北朝鮮が「火星17型」の発射を発表したのは初めてです。

これは、25日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が1面で伝えたものです。

それによりますと「きのう、キム・ジョンウン総書記の立ち会いのもと、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル『火星17型』の発射実験に成功した」ということです。

発射はキム総書記が23日に下した命令を受け、首都ピョンヤン郊外のスナン(順安)にある国際空港から日本海に向けて、通常より角度をつけて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で行われ「最高高度は6248.5キロに達し、1090キロの距離を1時間7分32秒飛行して、予定された水域に正確に着弾した」としています。

キム総書記は「強力な核戦争抑止力を質・量ともに持続的に強化する。アメリカ帝国主義との長期的な対決に徹底して準備していく」と述べ、アメリカを強くけん制しました。

1面から4面にかけて掲載された写真では、片側11輪の移動式発射台に搭載された弾道ミサイル1発が、垂直に立ち上げられたあと、オレンジ色の炎を吹き出しながら上昇していく様子などが確認できます。

北朝鮮が「火星17型」の発射を発表したのは、これが初めてで、きのう午後に発射され、北海道の渡島半島の西、およそ150キロの日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下したとみられるICBM級の弾道ミサイルを指すとみられます。

北朝鮮は、アメリカとの史上初の首脳会談を前にした2018年4月にICBMの発射実験と核実験の中止を表明していて、ICBM級の本格的な発射は2017年11月の「火星15型」以来です。

今回の発射によって、北朝鮮がことし1月に示唆したとおり、ICBMの発射実験の中止を見直したことが明確になった形です。

北朝鮮は、来月にキム総書記の祖父キム・イルソン(金日成)主席の生誕110年などの重要な節目を控え「偵察衛星の打ち上げ」と称してICBM級のさらなる発射を強行する可能性も指摘されていて、関係国の警戒が一段と強まっています。

「労働新聞」1面から4面にかけて「火星17型」発射関連

「労働新聞」には、1面から4面にかけて「火星17型」の発射に関連した28枚の写真が掲載され、1面にはキム総書記が発射を命じる書類に署名する様子が大きく写っています。

書類には手書きでキム総書記の名前とともに「発射実験を承認する。3月24日に発射する。祖国と人民の偉大な尊厳と名誉のために勇敢に撃て」と書かれています。

このほか、朝鮮労働党で核・ミサイル開発を主導している「軍需工業部」の文字も確認できます。

また、1面には「火星17型」の前に立つサングラスをかけたキム総書記と、ミサイルがオレンジ色の炎を吹き出しながら上昇していく様子が掲載されています。

また、片側11輪ある移動式発射台からミサイルが徐々に立ち上げられる状況も確認できます。

さらに発射を指揮しているとみられる部屋の内部や、キム総書記が窓越しに発射を眺める様子も写っています。

このほか発射の後とみられる写真には、キム総書記が軍人たちと記念写真を撮影した様子も写っています。

「火星17型」とは

北朝鮮が24日発射したと発表した新型のICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星17型」は、おととし10月、朝鮮労働党の創立75年に合わせてピョンヤンで行われた軍事パレードで初めて公開されました。

パレードでは、これまでの北朝鮮のミサイルの中で最も長い片側11輪の車両に載せられ「巨大な核戦略兵器」と紹介されていました。

その大きさは、2017年11月に片側9輪の移動式発射台から発射されて最高高度が4000キロを超え、北朝鮮が「アメリカ本土全域を攻撃できる」と主張したICBM級の「火星15型」を上回っていました。

去年10月にピョンヤンで最新の兵器を集めて開かれた「国防発展展覧会」でも、このミサイルが展示されていたのが確認され、関係国が警戒と監視を強めていました。