G7首脳会議 ロシアに生物・化学兵器や核兵器使わないよう警告

G7=主要7か国の首脳はベルギーで対面の会議を行い、ウクライナに軍事侵攻したロシアを非難し撤退を要求するとともに、ロシアが生物・化学兵器や核兵器を使わないよう警告する首脳声明を発表しました。

G7の首脳会議は24日、ベルギーの首都ブリュッセルで開かれ、岸田総理大臣やアメリカのバイデン大統領などが出席して対面で行われました。

会議のあと発表された首脳声明では、ロシア軍による、ウクライナ国民と病院や学校を含む公共インフラへの攻撃を非難し、国際刑事裁判所が戦争犯罪の証拠を収集するのに協力するとしています。
そしてロシアに軍の撤退を要求するとともに、ウクライナと周辺の国への人道支援を強化し、国外へ避難した人の受け入れや保護などに関与していくことを強調しています。
また、ロシアに対して、原子力施設を危険にさらすいかなる行動も控えるよう求めているほか、生物・化学兵器や核兵器を使用しないよう警告するとしています。
さらに声明では、ロシアのエネルギーへの依存度を下げる取り組みをさらに進めるとともに、世界的な食糧危機を防ぐために必要な行動を取るとしています。
このほか、国際機関や多国間の枠組みはロシアに対してこれまでどおりに対応すべきではないとして、ロシアを孤立させるよう国際社会に一致した対応を呼びかけています。
会議のあと記者会見したG7の議長国ドイツのショルツ首相は、ロシアによる生物・化学兵器の使用の可能性に懸念を示し「われわれの共通の懸念で、会議でも話し合った。決して使用するな」と述べ、ロシアに警告しました。

米バイデン大統領 化学兵器使用で「相応の対応をとる」

アメリカのバイデン大統領は、ベルギーの首都ブリュッセルで24日に開かれたNATOやG7=主要7か国の首脳会議のあと記者会見しました。

この中で「プーチンはNATOの足並みが崩れることを期待していたが、NATOがきょうほど結束した日はない」と述べ、新たに打ち出したロシアへの制裁やウクライナへの支援を通じて西側諸国の結束を改めて示すことができたと強調しました。
そして、ロシアがウクライナに対して化学兵器を使用した場合には「相応の対応をとる」と述べてけん制する一方、NATOが軍事的な行動をとる可能性については「そのときに判断する」と述べるにとどまりました。
さらに、ことし11月にインドネシアで行われる予定のG20=主要20か国の首脳会議について、バイデン大統領はG20のメンバーが決めることだとしながらも、ロシアを排除すべきだとし、それが難しければウクライナも参加させるべきだと訴えました。

また、ロシア寄りの態度を示している中国について、先週行った習近平国家主席との電話会談を振り返り「中国は経済面で、自分たちの将来がロシアよりも西側諸国と密接に関わっていることを理解していると思う。だから彼はロシアを支援しないと期待している」と述べました。

このほか、バイデン大統領はアメリカが、ウクライナへの人道支援として新たに10億ドル以上を拠出することや、ウクライナからの避難者10万人を受け入れることも明らかにしました。