国連総会 ウクライナの人道状況改善求める決議案を採択

ウクライナ情勢をめぐり、国連総会では市民の保護など現地の人道状況の改善を求める決議案が140か国の賛成多数で採択されました。
一方で棄権に回った国も38か国にのぼり、ロシアとの関係に配慮する国が依然として多いことも浮き彫りになりました。

ニューヨークの国連本部の総会議場では24日、前日に続いてウクライナの人道状況の改善を求めるフランスなどが提出した決議案をめぐる緊急特別会合が開かれました。

決議案は、ロシアがもたらした悲惨な人道状況に遺憾の意を示したうえで、敵対行為の即時停止のほか、市民や民間施設の保護、それに人道支援の安全確保などを求めています。

会合では2日間で合わせておよそ70か国が演説を行ったあと決議案の採決が行われ、
▽欧米や日本など合わせて140か国が賛成し、
▽ロシアなど5か国が反対、
▽中国やインドなど38か国は棄権して、
投票した国の3分の2以上の賛成で採択されました。

国連総会では今月2日にも、ロシアを非難し軍の即時撤退などを求める決議が141か国の賛成で採択されていて、今回もほぼ同じ数の国が賛成する一方で、反対は前回と同じ5か国、棄権は前回より3か国増えました。

また、この日の会合では、市民や民間施設の保護などを求める一方でロシアを名指しで非難しない内容の南アフリカが提出した決議案について採決を行うかどうかの投票が行われ、欧米など67か国が反対して廃案になりましたが、ロシアを始め中国やブラジルなど50か国が賛成し、ロシアとの関係に配慮する国が依然として多いことも浮き彫りになりました。

ロシア国連大使「政治的な配慮が優先された」

決議が採択された後、ロシアのネベンジャ国連大使は「政治的な配慮が優先された。この決議では現場で実際に起きている状況を埋め合わせることはできない」と主張しました。

また、南アフリカが提出した決議案については「南アフリカのイニシアチブと決断力、そして彼らの決議案を支持した国々に感謝する」と述べました。

米国連大使「ウクライナとロシア 双方への強いメッセージ」

国連総会で、ウクライナの人道状況の改善を求める決議が採択されたことについて、トーマスグリーンフィールド国連大使は、140か国が賛成したことを評価しました。

その上で「決議の採択はウクライナとロシア、双方への強いメッセージとなった。国連がウクライナを支持し、人道支援を提供するだけでなく、この人道危機の加害者はロシアだと非難するものだ。国連加盟国の団結を示し、ロシアを孤立させたことは非常に重要だ」と述べました。

また、ロシアが「ウクライナで生物兵器が開発されアメリカが関与している」と一方的に主張していることに関連して「ロシアは存在しない事柄について無制限に会議を呼びかけ、物語を作りあげている。常任理事国としての責務を悪用するものだ」と強く非難しました。

一方、ウクライナ情勢をめぐる日本の役割については「ウクライナへの支援についてわれわれは日本と非常に密接に関わり議論してきた。日本は非常に強力なパートナーであり、ウクライナの人たちに支援を提供してくれた日本と日本国民に感謝したい」と述べました。

中国国連大使「『人道』の範囲 超える部分がある」

中国は今回の決議案の採決を棄権しました。

一方で、南アフリカが提出し、結局廃案となったロシアを名指しで非難しない内容の決議案を支持しました。

演説を行った中国の張軍 国連大使は「採択された決議案は明らかに『人道』の範囲を超えている部分がある一方、南アフリカの決議案は人道的な問題に焦点を当てている」と述べました。