ウクライナ隣国のモルドバ 日本のNGOも避難者を支援

ウクライナから大勢の人が避難している隣国のモルドバでは、避難者への継続的な支援が課題になっていて、日本のNGOも支援に乗り出しています。

ウクライナの南隣に位置するモルドバとの国境には24日、ウクライナ南部の都市ミコライフから逃れてきた人たちを乗せた大型バスが相次いで到着しました。

バスのフロントガラスには、攻撃を避けるため「子ども」と書かれた紙が貼られていて国境の手前で女性や子どもたちがバスを降りると歩いてモルドバ側に避難していました。

ミコライフでは、住宅や病院が攻撃されるなど、このところロシア軍による無差別とも言える攻撃が続いているということで現地の当局が避難を希望する人のためのバスを用意して、モルドバに向けて集団で脱出させているということです。

避難してきた51歳の女性は「ミコライフではずっと空爆が続き、空襲警報のサイレンも鳴り続けています。ロシア軍に包囲されるのが怖いので脱出しました」と話していました。また、34歳の女性は「最初は郊外で戦闘が起きていましたが、私たちが住んでいるところでも上空にミサイルが飛ぶようになり、ねらわれていると実感したので、残っているのが怖くなりました」と話していました。
モルドバにはこれまでに国の人口の1割以上にあたる37万人以上のウクライナ人が避難し、今も国内でおよそ10万人が避難生活を続けています。
しかし、財政状況が厳しいモルドバでは、避難者への継続的な支援が大きな課題になっています。

首都キシニョフの避難所では連日、避難者が長い列を作って支援物資を受け取っていますが、地元の市民から寄せられる寄付も徐々に減る中、提供できる食料も不足し始めています。
市の担当者は「およそ1か月危機に対応していて、どのようにすれば効率的な支援ができるか試行錯誤を続けています」と話していました。

こうした中、現地で活動している日本のNGO「ピースウィンズ・ジャパン」は、米やパスタなど日本円にして100万円分以上の支援物資を調達し、避難所に届けました。
「ピースウィンズ・ジャパン」の松澤礼奈さんは「モルドバ自体が経済援助を受けている小さな国です。行政やNGO、地元の人々の思いやりで支援が続けられていますが、資金が不足し苦しい状況です。どのようなニーズがあるのか整理したうえで支援していくことが重要です」と話していました。

IT企業で働く人たちにオフィス無料貸し出し

避難生活が長期化し、安定した生活に向け働く場所の確保が課題となる中、モルドバでは、IT企業で働く人たちにオフィスが無料で貸し出されるようになっています。

首都キシニョフにあるシェアオフィスを運営する団体は、ウクライナから避難してきたIT企業で働く人たちに無料で施設を貸し出していて、これまでにおよそ70人が2か所のシェアオフィスを利用しています。

ウクライナ第2の都市ハリコフから家族5人で避難してきたリラ・リアブコさんもその1人です。

ウクライナのIT企業に勤務し、避難先からもリモートワークを続けていて、シェアオフィスを週に5回利用し、家族の生活を支えています。

リアブコさんは「スタッフも親切でパスポートと連絡先を登録するだけで無料で利用できます。インターネット環境などが整備されていて、生産的に仕事ができます」と話していました。

シェアオフィスを運営する担当者は「まずは働く場所を提供することが重要ですが、今後はウクライナのIT技術者を採用する動きも出てくるでしょう」と話し、IT大国として知られるウクライナの技術者をモルドバで雇用することで長期的な支援につながると期待を示しました。