SMBC日興証券 逮捕の副社長 製薬会社株に大量の買い注文の疑い

大手証券会社、SMBC日興証券をめぐる相場操縦事件で、24日逮捕された副社長は、会社の自己資金で株を売買する部署の幹部らとともに都内の製薬会社の株式について6億円余りに相当する大量の買い注文を出していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
東京地検特捜部は、株価を不正に買い支えることで会社の利益を確保しようとしていたとみて詳しい経緯を調べるものとみられます。

SMBC日興証券の副社長、佐藤俊弘容疑者(59)は去年4月、特定の銘柄の株価が下落するのを防ぐため、不正な取引をしたとして、金融商品取引法違反の相場操縦の疑いで24日、特捜部に逮捕されました。

関係者によりますと佐藤副社長は、会社の自己資金で株を売買するエクイティ部の前部長で24日別の相場操縦の罪で起訴された山田誠被告(44)らともに、都内の製薬会社の株式について6億円余りに相当する10万株の買い注文を出していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。

このうち4万株は取り引きが成立し、実際に買い付けたということで、特捜部は、副社長らが製薬会社の株価を不正に買い支えることで、会社の利益を確保しようとしていたとみて詳しい経緯の解明を進めるものとみられます。

特捜部は佐藤副社長の認否を明らかにしていませんが、関係者によりますと、特捜部の逮捕前の調べに対し、起訴された取引について「報告は受けていたが、違法という認識はなかった」などと説明していたということです。

再発防止の徹底示すも 業績への影響避けられない見通し

SMBC日興証券の近藤社長は24日夜の記者会見で相場操縦事件について陳謝したうえで、みずからの経営責任について「原因究明を行い、改善策を策定し、しっかりと実行することによって信頼回復に努めることが私が果たすべき責任だと考えている」と述べました。

事件を受けて会社では、再発防止策として、売買が適正かどうか審査する人員を増やしたほか、来月以降、不審な取り引きを防ぐための新たなシステムを導入することを決めました。

さらに原因究明のために設置した弁護士からなる調査委員会の調査結果を踏まえて追加の対策を取りまとめ、再発防止を徹底する方針です。

ただ、事件を受け、すでに一部の顧客企業などが取り引きを見合わせる動きも出ていて、業績への影響は避けられない見通しで、信頼回復に向けた道のりは険しいものになりそうです。