きっかけは木村花さん ネットひぼう中傷対策条例 大阪府で可決

インターネット上でのひぼう中傷が深刻な問題となる中、大阪府議会は、被害者の支援や、府民を対象にした研修会の実施などに行政が取り組むとした条例を全会一致で可決しました。

この条例は、テレビ番組に出演していたプロレスラーの木村花さんがSNS上でひぼう中傷を受ける中亡くなった問題などを受けて議会側が提出したもので、24日開かれた大阪府議会の本会議で全会一致で可決され、成立しました。

条例では、ネット上でのひぼう中傷などによる人権侵害をなくしていくため、大阪府などが取り組むべき施策を示しています。

具体的には、被害にあった人の心理的な負担を軽減するための相談体制などを構築するほか、子どもから大人まで府民にインターネットリテラシーを学んでもらう研修会などを実施します。

また、加害者側についても、特定されて被害を受ける場合もあるなどとして、支援できる体制の整備に取り組むとしています。

この条例は来月1日に施行されます。

大阪府によりますと、都道府県でインターネットのひぼう中傷対策の条例が制定されるのは、群馬県に続いて全国で2例目だということです。

木村花さんと親交あるプロレスラーの思い

今回の条例のきっかけを作った1人、プロレスラーで大阪 和泉市議会議員のスペル・デルフィンさんです。
条例が制定されたことについて「まずは行政が動かないとダメだと思っている。抑止になればいい」と話しています。

実は、デルフィンさんは、亡くなった木村花さんと幼い頃から親交がありました。

デルフィンさんが議員になる前の10年あまり前に沖縄で立ち上げたプロレス団体に、花さんの母親の木村響子さんがレスラーとして参加していました。こちらはデルフィンさんと木村響子さんの2ショット写真です。
その時、中学生だった花さんも団体のアイドルグループの一員として活動していました。デルフィンさんは、当時、発売されたCDを今でも大切に持っています。
CDジャケットの花さんの写真の横には「ママはプロレスラー」と書かれています。

その後、花さんがプロレスラーとしてデビューした時には、リングで履く靴をプレゼントしました。

花さんが亡くなったおととしには、みずからが企画したプロレスの興行に、花さんにも参加してもらう予定でしたが、実現しませんでした。

「花ちゃんは礼儀正しくて明るい子だった。生きていたら女子プロレスではナンバーワンになっていたと思う。本当に悔やまれる」と振り返るデルフィンさん。

ネット上でのひぼう中傷対策を、議員としての使命だと感じるようになりました。これまで、地元、和泉市の小学校で特別授業を企画するなど、啓発活動を進めてきました。
そして、ことし1月、デルフィンさんの紹介で、花さんの母親の響子さんと大阪府の吉村知事の面会が実現しました。これがきっかけとなって、ひぼう中傷対策の条例作りが急ピッチで進められ、わずか2か月で成立に至りました。
次のデルフィンさんの目標は、全国各地に、こうした取り組みを広げていくことだといいます。

デルフィンさんは「すぐに大きく変わることはないけれども、ちょっとでもいいから、少しずつ前に進んで大きくしていきたい」と話していました。