ロシア企業 経済制裁で海外との取り引き混乱

ウクライナへの軍事侵攻で欧米などから厳しい経済制裁を科されたロシアでは、海外とのビジネス取り引きを行う企業の間で混乱が起きています。

首都モスクワや第2の都市、サンクトペテルブルクで8つの店舗を展開するインテリア関係の企業では、主にヨーロッパから住宅用のカーテンや壁紙などを輸入し、販売しています。

しかし、ロシアの軍事侵攻が始まった先月以降、通貨ルーブルの価値がユーロやドルに対して大きく下落したため仕入れ価格が上昇し、商品を20%から25%ほど値上げせざるを得ませんでした。

このままの状況が続けばさらなる値上げも避けられないとしています。

また、これまで2週間ほどで届いていた商品が今では2か月以上かかる見通しとなるなど物流の遅れも深刻で、EU=ヨーロッパ連合やイギリスがロシアへの制裁を強化した影響で輸出に関する手続きが複雑になっている可能性があるとしています。

このため、今後は、商品の仕入れ先をロシアと友好的な関係にある中国やインド、トルコなどに切り替えることも検討しているということです。
また、制裁の影響で、国民の購買力も低くなるのではないかとも懸念していて、インテリア企業の社長のアレクセイ・エリセエフさんは、「ビジネスの先行きの見通しは極めて難しい状況だ。状況は日々変わっていて、楽観的になれない」と話していました。