ロシア国営テレビ 元キャスターの女性が軍事侵攻に抗議し辞職

ロシア国営テレビ「第1チャンネル」でニュースキャスターも務めた女性職員が軍事侵攻に抗議して辞職し、国営テレビのニュースはプーチン政権のプロパガンダだと告発しました。

ロシア国営テレビ「第1チャンネル」の職員ジャンナ・アガラコワさんはロシアでニュースキャスターを務めた後、フランスなどで特派員として取材活動をしてきましたが、今月17日、SNSで軍事侵攻に抗議して辞職したことを明らかにしました。

22日、パリにある「国境なき記者団」の本部で辞職後、初めてメディアの取材に応じたアガラコワさんは「私たちのニュース番組は権力者とその取り巻きの姿しか伝えていない」と述べ、国営テレビのニュースはプーチン政権のプロパガンダだと告発しました。

そのうえで「私はフランスにいて、守られ、自由だと感じたので辞めることができたが、ロシアにいる同僚たちには家族がいる。人質にとられているようなものだ」と述べ、同僚たちにとって抗議の意思を示すことは簡単ではないと指摘しました。

また、アガラコワさんはこれまでの自身の取材を振り返り「取材内容に嘘はなかったが、私の取材はプロパガンダに使われてきた」としたうえで、ロシアの人々に向けて「プロパガンダを見分けるための別の情報源を見つけ、思考停止から脱却してほしい」と呼びかけました。