ウクライナ大統領 きょう国会演説 岸田首相 G7首脳会議へ出発

ロシアの軍事侵攻が続く中、ウクライナのゼレンスキー大統領が、23日、日本の国会でオンライン形式での演説を行うことになっています。

一方、岸田総理大臣は、ウクライナ情勢をめぐって、24日に開催されるG7=主要7か国の首脳会議に出席するため、23日夜、ベルギーに向けて出発する予定で、G7で結束し、ロシアに対する国際社会の厳しい姿勢を示したい考えです。

ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説は、午後6時からオンライン形式で行われることになっています。

ゼレンスキー大統領は、これまでの日本の対応に謝意を示すとともに、さらなる協力と支援を要請するものとみられ、政府は、演説の内容も踏まえて、今後の対応を検討することにしています。

一方、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1か月となる24日には、ベルギーの首都ブリュッセルで、G7=主要7か国の首脳会議が緊急に開かれる予定で、岸田総理大臣は、23日夜、現地に向けて出発します。

岸田総理大臣は、22日の国会審議で「G7に唯一アジアから参加している日本として、先のインド・カンボジア訪問などを踏まえ、アジアの状況もしっかりインプットして、G7各国とも情勢判断を共有していきたい」と述べました。

岸田総理大臣は会議で、アジア地域でもロシアに対する包囲網の形成に貢献しようと、日本として外交努力を続けていることを説明することにしています。

そして、事態の改善に向けて、ロシアへの制裁措置やウクライナをめぐる人道支援などで一層の貢献をしていくことを伝え、G7で結束し、ロシアに対する国際社会の厳しい姿勢を示したい考えです。

現地での滞在は数時間程度になる見通しですが、アメリカのバイデン大統領ら、各国首脳との個別の会談もできるだけ行いたい考えで、調整を進めています。

米大統領 ヨーロッパ訪問でロシアへの新たな制裁発表へ

アメリカのバイデン大統領は、ウクライナ情勢を受けて、今週、G7=主要7か国の首脳会議などに出席するためヨーロッパを訪問した際に、西側諸国とともにロシアに対する新たな制裁を発表することにしています。

また、中国を念頭に、ロシアへの圧力強化の動きに逆行する行為に対し、各国が結束して対応する方針を確認したい考えです。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、アメリカのバイデン大統領は24日、ベルギーの首都ブリュッセルでG7=主要7か国やNATO=北大西洋条約機構の首脳会議などに出席します。

ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は、22日の記者会見で「この戦争は簡単に、そしてすぐには終わらないだろう」と述べた上で、バイデン大統領がヨーロッパを訪問した際に、西側諸国とともにロシアに対する新たな制裁を発表すると明らかにしました。

さらに、サリバン補佐官は「重要なのは、ロシアに対する制裁の効果を弱めるようないかなる国による試みも阻止するため、各国が一致して取り組んでいくことを確認することだ」と述べ、ロシア寄りの態度を示している中国を念頭に、ロシアへの圧力強化の動きに逆行する行為に対し、各国が結束して対応する方針を確認したいとしています。

また、バイデン大統領は訪問中にヨーロッパ各国が石油や天然ガスの輸入でロシアに依存している状態から脱却するための共同の取り組みについても発表する方針です。
バイデン大統領のヨーロッパ訪問に同行する予定だったホワイトハウスのサキ報道官は22日、新型コロナウイルスの検査で自身が陽性となり、同行できなくなったと発表しました。

サキ報道官は前日に、バイデン大統領と2つの会議で同席したということですが、いずれも距離をとっていたため、バイデン大統領はアメリカCDC=疾病対策センターの指針による濃厚接触者にはあたらないとしています。

バイデン大統領は、22日に検査を受けた結果陰性だったということで、23日には予定通り、ヨーロッパに向けて出発するとしています。