【現地は今】ウクライナ人の母親「7歳の娘の精神状態が…」

「7歳の娘が興奮状態で。いずれ精神面での治療が必要になると思います」

ウクライナの首都キエフの地下シェルターに、娘たちと3週間あまり避難を続ける女性は、こう話しました。
今もロシア軍の攻撃が続く中、どんな思いでいるのか、話を聞かせてもらうことができました。

ロシア軍の攻撃が続く中、どこで過ごしているのですか

《クセーニヤ・コシェワヤさん(37)》
娘2人と高齢の親たちと一緒に、もう22日間も地下シェルターで寝起きしています。

知り合いがキエフを離れようとしたときに銃撃を受けて、キエフを出るのも怖い状況です。
多くの近所の人たちも、同じようにとどまっています。

子どもたちは、どんな様子ですか

7歳の娘、セラフィーマは、キエフが爆撃を受けてから、興奮状態が続いていて、外に出るのをとても怖がるようになってしまいました。
また、セラフィーマは、どんな音でも気にするようになりました。
彼女に爆発音が聞こえないようにするためにも、私たちはシェルターで過ごさなければなりません。

こうした生活が3週間以上続いているので、娘の精神面への影響が大きくなっています。
いずれ治療が必要になると思います。

子どものことのほかに、苦痛を感じていることはありますか

常に感じる「恐怖」です。

遠くから爆発音がひっきりなしに聞こえてきます。
17日は、私たちの住む地区がミサイル攻撃を受けました。
ロシア軍がキエフに迫っているのだと感じます。

頻繁に爆発音が聞こえるので、これまで以上に注意を払わなければなりません。
シェルターの中にいても、安心できない状態が続いています。

キエフ市内の様子はわかりますか

キエフの街なかには、ほとんど人の姿が見当たりません。
車も走っていませんし、歩いている人もほとんどいません。

キエフには、今も多くの市民がとどまっていますが、みんな隠れています。
まるで「街が空っぽ」のようです。
今はセラフィーマのこともあって、地上に出るのが非常に困難な状況になっています。
シャワーを浴びたり、食事を作ったりするには地上に出なければなりませんが、それすらも難しくなっています。

キエフから避難することはできそうですか

セラフィーマが恐怖から、地上に出られなくなっているので、今はこのまま地下シェルターで過ごしている方が安全だと考えています。

こんな状況が訪れるとは思ってもいませんでした。

いちばん求めていることはどんなことですか

これ以上、亡くなる人が出ないように、平和が訪れることを願っています。

今は、子どもも高齢者も次々と死んでいます。
がれきの下に放置されてしまっている人もいます。
非常に多くの市民が命を落としていて、ただただ怖いです。

これは本物の戦争なのです。

こんな恐怖感は、本当に誰にも感じてほしくありません。
すべての人が平和で、健康でいられますように。
誰も死ぬことがないように。