「まん延防止」解除 “基本的な感染防止策徹底を” 後藤厚労相

新型コロナ対策のまん延防止等重点措置がすべての地域で解除されたことを受けて、後藤厚生労働大臣は、年度末や新年度を迎えるに当たり行事や移動が多くなるとして基本的な感染防止策の徹底を呼びかけました。

東京や大阪、愛知など18の都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置は、21日の期限をもってすべて解除されました。

後藤厚生労働大臣は記者団に「全国的な感染者数はピーク時の半分程度にまで落ち着き、病床使用率や自宅療養者数も地域差はあるが、明確な低下傾向が確認されている」と述べました。

一方で「専門家からは今後既存のオミクロン株が『BA.2』に置き換わることで、再度増加に転じる可能性も指摘されている」と述べました。

そのうえで、年度末や新年度を迎えるに当たって卒業式や春休み、入学式や花見など多くの人が集まる行事に加え、就職や進学を機会に移動が多くなるとして「感染リスクの高い行動を控え、マスクの着用や手洗いなど、基本的な感染防止策の徹底を心がけてほしい」と呼びかけました。

また今後の対策について「再度感染が拡大に転じた場合も『全体像』で準備してきた保健・医療体制を稼働させていくことを基本としつつ、専門家の意見を聞きながら、新たなウイルスや感染状況に応じた積極的かつ迅速な対応を講じていく」と述べました。

札幌市内では歓迎の一方で懸念する声も

北海道に適用されていた、まん延防止等重点措置が21日で解除されたことを受けて、札幌市内では、制限の緩和を歓迎する声があった一方で、今後の感染状況を懸念する声も聞かれました。

22日が大学の卒業式だという20代の女性は「街に活気が戻ると思うとうれしいです。まん延防止等重点措置で、大学の部活動も制限されていたので、これで後輩たちがのびのびと活動できるようになれば」と話していました。

また、30代の会社員の男性は「気兼ねなく食事に行けるようになったのかなと思います。これで実家にも帰ることができます」と話していました。

一方、70代の女性は「解除になったのはうれしいですが、これから人がたくさん街に出てきて、感染が、また広がるのではないかと心配しています」と話していました。

また、60代の男性は「感染者数がなかなか減っていないので不安が大きいです。これからも家にこもることは続けていきます」と話していました。

大阪 多くの飲食店が約2か月ぶり通常営業

まん延防止等重点措置の解除に伴い、大阪府内の多くの飲食店ではおよそ2か月ぶりに通常どおりの営業を再開しています。

このうち、大阪 大正区にある合わせて17の飲食店が入った複合施設では、まん延防止等重点措置を受け、それぞれの店舗が完全に休業したり、営業時間を短縮したりしていました。

重点措置の解除に伴い、施設ではおよそ2か月ぶりに全店舗で営業を再開し、このうちイタリアンレストランでは開店前から従業員らが料理の仕込みや掃除を行いました。

そして午前11時の開店と同時に早速客が訪れ、料理や飲み物を注文していました。

店長の小西雅也さんは「医療現場の負担軽減や、お客様と従業員の安全を守るため休業していたが、売り上げがゼロになり影響は大きかった。再開できて大変うれしい。食事を楽しんでもらい、少しでも笑顔になってもらえたらと思う」と話していました。