東京電力管内に電力需給ひっ迫警報「使用率」は

政府は東北電力管内に出していた「電力需給ひっ迫警報」についてあす23日は電力供給の余力が安定供給に必要とされる水準を確保できる見通しがたったとして警報を解除しました。一方、東京電力の管内では引き続き需給が厳しいため、政府は23日も警報を継続し、家庭や企業に対して節電を呼びかけています。

関東地方では22日、低気圧と寒気の影響で気温が下がり、暖房などの電力需要が増えています。一方、今月16日の地震の影響で、東京電力管内に電力を送る、福島県にある
▽広野火力発電所6号機
▽相馬共同火力発電の新地火力発電所の1号機は
今も運転停止の状態が続いています。

このため政府は21日夜、電力供給の余力が低く、大規模な停電につながるおそれもあるとして初めて「電力需給ひっ迫警報」を出しました。

東京電力管内 午後10時台で92%

東京電力によりますと管内の電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」は午後10時台の実績で92%となりました。

東北電力管内 午後10時台96%

東北電力ネットワークによりますと、東北6県と新潟県を対象にした管内の電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」は、午後10時台の速報値で96%となりました。

このあとあす午前0時台の予想使用率は88%を見込んでいます。

東北電力は、東北6県と新潟県を対象に、日常生活に支障のない範囲で照明やその他の電気機器の使用を控えるなど節電への協力を呼びかけています。

萩生田経産相 もう一段の節電を強く要請

節電の呼びかけにも関わらず、管内の電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」は午後2時台の実績で107%となり、データの上では電力の需要実績が供給力を上回っている状況になりました。

萩生田経済産業大臣はきょう午後3時前に緊急の記者会見を開き企業や家庭に対して午後3時から午後8時までもう一段の節電を強く要請しました。追加で5%、大型の発電所2基分に相当する200万キロワットの削減が必要だとして節電の強化を求めました。家庭や企業の節電協力もあって「使用率」は午後5時台の実績で92%となりましたが、稼働を止めている火力発電所は復旧に時間がかかり、天候の悪化や発電所のトラブルが起きれば電力需給はすぐにひっ迫しかねない状況は変わっていません。政府と電力会社は引き続き、家庭や企業に対して節電を呼びかけています。

節電 具体的な対策は

政府は節電の具体的な対策としては
▽家庭や職場などで不要な電気や暖房を消すこと、
▽暖房の設定温度を20度にすること
▽テレビを見る際には画面の明るさの設定を変えることなどを求めています。

岸田首相「日常生活に支障のない範囲で節電を」

岸田総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し「東日本は悪天候で太陽光が発電せず、気温が平年より大幅に低いことに加え、先週の福島県沖の地震の影響で火力発電所が停止している。こうした要因で東京電力と東北電力の管内で電力需給が極めて厳しくなっている」と説明しました。

そのうえで「停止中の火力発電所は事業者から復旧に数週間から数か月は要すると聞いているが、早急に具体的な復旧の見通しを公表し1日も早い復旧に努めたい」と述べました。

そして「家庭や職場で暖房の設定温度を下げたり、使用していない照明を消したりするなど日常生活に支障のない範囲で節電にご協力をいただきたい」と呼びかけました。

松野官房長官「最大限の節電に協力を」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「先週の地震で被災した複数の火力発電所で停止が続く中、本日、東日本は悪天候で太陽光が発電せず、気温も平年より大幅に低いため、東京電力管内の電力需要は、この時期としては異例の高水準となり、電力需給が極めて厳しくなる見込みだ」と述べました。

そのうえで「家庭や職場では、暖房の設定温度を20℃程度まで下げたり、使用していない照明を消したりするなど、最大限の節電にご協力をいただくようお願いする」と節電への協力を呼びかけました。

そして「あす以降は、天気が回復し太陽光発電が増え、気温も上昇して、電力需要の低下が見込まれるため、同様の節電をお願いする可能性は低い」と述べました。

一方、松野官房長官は、エネルギー価格の高騰を踏まえた原子力発電所の再稼働について「いかなる事情より安全性を最優先し、原子力規制委員会が審査し、新規制基準に適合すると認められた場合のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の方針で、その方針に変わりはない」と述べました。

経団連 十倉会長「会員企業に10%程度の節電呼びかけ」

経団連の十倉会長は22日の定例会見で、東京電力などの管内で、企業にも節電への協力が要請されていることについて「経団連としても会員企業に対して10%程度の節電などを呼びかけた」と述べ、経済界としても政府に協力し、停電の回避に努める考えを示しました。

そのうえで「ウクライナ情勢に加えて、今回の問題によってエネルギーの安定供給は身近な問題だと国民の間で広く認識されたと思う。再生可能エネルギーやLNG=液化天然ガス、石油以外のエネルギーの多様化も進めないといけない」とも述べ、電力の安定供給のためには、既存の原子力発電所の活用などの検討も急ぐべきとの考えを示しました。

一方、新型コロナ対策のまん延防止等重点措置が、すべての地域で解除されたことについては「政府もウィズコロナで進んでいこうとする中で、次の感染拡大の波は来ないという保証はない。ワクチンや飲み薬、抗原検査キットの準備など、世界各国と同様のレベルで対応を進めてほしい」と述べ、感染対策と両立させながら出口戦略の策定も行うべきだと政府に求めました。

専門家 家庭での節電の取り組みのポイント

家庭での節電の取り組みのポイントについて、省エネルギーセンターの久米伸一さんは「今回のような電力需給のひっ迫時は、夕方から夜にかけてのピーク時の電力使用量をみんなで協力して減らすことが最も大切になる。例えば、炊飯器の保温時間や電子レンジを使う回数を減らすために家庭の食事を同じ時間にしたり、別々の部屋で暖房や照明を使わず同じ部屋に集まって過ごしたりするなどの対策を意識してほしい」と話しています。

また、在宅でのリモートワークが浸透する中、家庭で節電の意識を高めることがより求められると指摘した上で、「在宅勤務中に厚手の靴下をはいたり、カーディガンを羽織ったりすることで暖房の設定温度を低くすることは簡単にできる。パソコンのモニターの明るさを少し暗くするだけでも節電につながる」と話しています。

一方、オフィスでの節電については「残業が多いと照明や空調などでエネルギーを多く使うことになるので、早めに業務を終えるなど、工夫の余地があるのではないか。気温が低い時期はサーバーや通信機器が置いてある部屋でも空調が必要ないことも多いので、もう一度、社内の空調の設定を点検し直してほしい」と話しています。

広域機関 24時間体制で需給状況を把握

全国の電力需給を調整する、オクト=「電力広域的運営推進機関」は24時間態勢で電力の需給状況を把握しています。

需給が厳しい電力会社から要請があれば、余力のある会社に指示を出し、電力を融通。安定供給を担います。

22日は午前7時から東京電力からの要請をうけて東北電力や中部電力など大手7社に対して午後4時まで最大で合わせて141万キロワットを東京電力への融通を指示しました。