“まだ第6波の途中「まん延防止」解除後も対策継続を” 専門家

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、まん延防止等重点措置の解除について「解除によって夜に外で飲食する人も増えるだろうし、送別会や歓迎会、お花見など、この時期は密になる機会が多い。また、感染力が強い『BA.2』というウイルスに置き換わっていくことも予想されている。こうしたことから、解除後に感染者数がある程度、増えてくることは想定される。まだ第6波の途中だということを認識してもらい、しばらくは気を緩めずに密を避けたりマスクをしたりする基本的な感染対策を続けてほしい。また、今の時期にワクチンの追加接種もなるべく受けてほしい」と話していました。

また、海外で感染者数が再び増加していることについて「特に西ヨーロッパの国々ではワクチンの追加接種が5割を超えていて、亡くなる人が減ってきたため規制を緩和した。このことが再増加の原因の1つとみられる。日本の追加接種はまだ3割を超えたところだが、まずはワクチンの追加接種を進めたうえで規制を緩和して社会経済を動かすという順番でやっていかなければならない。さらに緩和後に今のヨーロッパのような状況になる可能性も想定して、次の一手も考えておく必要がある」と話していました。

海外では再拡大の傾向も

新型コロナウイルスのオミクロン株では、国や地域によっては、感染が十分に収まりきらないまま再び増加するところも出ています。

イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト、「Our World in Data」によりますと、世界全体では、新たに報告される感染者数は先月まで減少傾向となっていましたが、今月に入り再び増加傾向となっています。

国や地域別では、1週間平均の1日当たりの感染者数は、次のとおりとなっています。

▽イギリスでは、ことし1月上旬に18万人を超えたあと、2月下旬に2万7000人余りまで減りましたが、3月18日時点では8万1000人余りとなっています。

▽フランスでは、1月下旬に36万人を超えたあと、3月上旬には5万2000人余りまで減っていましたが、再び増加傾向となり、3月19日時点では8万6000人余りとなっています。

▽ドイツは、2月中旬に20万人を超えたあと、3月はじめに13万人余りに減りましたが、再び増加傾向となり、3月19日時点ではおよそ21万7000人となっています。

アジアでも、感染状況が悪化している地域があります。いずれも1週間平均で1日当たりの感染者数です。

▽中国は、ことし2月から増加傾向となり、3月19日時点では2300人余りとなっています。中国では2年前、湖北省武漢市で世界で最初に感染が広がりましたが、その後は2年近くの間、多くても1日200人程度でした。

▽韓国では、ことし1月中旬には4000人を下回っていましたが、3月19日時点では40万人余りと過去最多水準となっていて、1日当たりの感染者数では、世界で最も多くなっています。

▽ベトナムでもおよそ27万人と、この2か月で急増しています。

一方、▽アメリカではことし1月中旬には80万人を超えていましたが、3月19日時点では3万人余りまで減少しています。