新型コロナで苦境 外国人に観光ガイドの通訳案内士が新人研修

新型コロナウイルスの影響で、外国人に観光ガイドを行う国家資格の「全国通訳案内士」は、ほとんど仕事がなくなるなどの影響を受けています。
こうした中、感染収束後を見据えて、新たに資格をとった人への研修が行われました。

「全国通訳案内士」は、英語やフランス語などで観光ガイドを有償で行う国家資格です。

20日は、今年度の試験の合格率およそ9%の狭き門を突破した人のうち20人余りが参加して、東京の浅草寺で研修が行われました。

研修では、境内をめぐりながら、講師を務める通訳案内士が五重塔の構造やおみくじなどについて、外国人に分かりやすい伝え方を英語で説明し、新人たちがノートにメモをとりながら熱心に聞いていました。

外国人観光客の受け入れが中止されているため、業界団体のアンケート調査では去年の通訳案内士としての収入が「ほぼゼロ」と答えた人がおよそ80%に上り、試験の志願者も大幅に減少しているということです。

研修に参加した女性は、「不安はあるが、外国人との橋渡しとなり日本を好きになってもらえるガイドを目指したい」と話していました。

全日本通訳案内士連盟の松本美江理事長は、「外国人観光客が再び経済を支える時が来るので、それに備えることが大事だ。早く案内ができる日が来ることを期待している」と話していました。