ウクライナ東部マリウポリで激しい市街戦か “消耗戦に移行”

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍は、ウクライナ東部のマリウポリで激しい市街戦を行っているとみられるなど、東部や南部で攻勢を一層強めています。
情勢の分析を続けるイギリスの国防情報当局は、「無謀で無差別な攻撃を含む消耗戦に移行し始めた」と指摘するなど、市民の犠牲がさらに増えることが懸念されています。

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、東部の要衝マリウポリで都市を孤立させたうえで、激しい市街戦を行っているとみられるなど、東部や黒海沿岸周辺の南部で、攻勢を一層強めています。

ロイター通信が18日に撮影した映像では、マリウポリにあったアパートやショッピングモールが焼け焦げた様子が映し出されています。

また、避難所となっていたマリウポリの劇場が破壊されたことについてゼレンスキー大統領が「これまでに130人以上が救助されたと聞くが、いまだに数百人ががれきの下にいる」と述べるなど、救助は依然難航しているとみられます。

情勢の分析を続けるイギリスの国防情報当局のトップは、地元メディアに対して「ロシア軍は、ウクライナ軍の激しい抵抗などで、当初の目標が達成できていない。無謀で無差別な攻撃を含む消耗戦に移行し始めた」と指摘しています。

ロシアのプーチン大統領と18日電話会談を行ったフランスのマクロン大統領は、マリウポリの情勢について「非常に懸念している」と伝えるとともに軍による包囲を解除し、すぐに停戦するよう求めました。

一方、首都キエフをめぐる戦況についてアメリカ国防総省はロシア軍の地上部隊に目立った前進はみられず、ウクライナ側の激しい抵抗にあっていると分析しています。

ロシアとウクライナは、停戦交渉をオンライン形式で継続しているとみられますが、ロシアは、ウクライナの中立化や非軍事化など要求が満たされるまで停戦に応じないとみられ、市民の犠牲がさらに増えることが懸念されています。