国際

ロシア軍 ウクライナ東部で攻勢強める 市民の犠牲も増え続ける

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、18日、東部マリウポリの中心部で戦闘を続けていると発表するなど攻勢を強めていて、さらなる市民の犠牲が懸念されます。
一方、ロシアのプーチン大統領は「人々をジェノサイドから解放することが軍事作戦の目的だ」と演説して正当性を主張し、ロシアの国民に支持を呼びかけました。
ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、18日、東部マリウポリの掌握に向けて部隊が包囲を狭め、市の中心部で戦闘を続けていると発表するなど攻勢を強めています。
また、マリウポリで避難所となっていた劇場が破壊されたことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は「いまだに数百人ががれきの下にいる」と述べ、砲撃が続く中で救助活動が難航していると明らかにしました。

国連人権高等弁務官事務所は、17日までに59人の子どもを含む少なくとも816人の市民の死亡が確認されたと発表し、犠牲者の数が増え続けています。

一方、ロシアとウクライナとの停戦交渉が14日からオンライン形式で続けられ、ロシアが求めてきたウクライナの「中立化」をめぐり、NATO=北大西洋条約機構への加盟に代わる、別の安全保障の枠組みについて議論が続いているとみられます。
これについて、ロシア代表団のトップ、メジンスキー大統領補佐官は、18日「ウクライナの中立的な地位と、NATOに加盟しないことは、双方の間で最も近づいている問題だ」とする一方、依然として、多くの問題では立場の隔たりがみられるとしています。

一方、ウクライナ代表団のポドリャク大統領府顧問は「私たちの立場は変わらない。停戦と、ロシア軍の撤退、そして具体的で強力な安全保障の枠組みだ」とツイッターに投稿し、ロシア軍に攻撃をやめるよう求めました。
こうした中、プーチン大統領は、ロシアがウクライナ南部のクリミアを一方的に併合して8年となった18日、首都モスクワで行われた記念イベントの会場で演説し「人々をジェノサイドから解放することが軍事作戦の目的だ」と述べて、軍事侵攻の正当性を改めて強調しました。

ロシア軍の軍事侵攻は、ウクライナ軍の激しい抵抗などによって、当初の計画より大幅な遅れが指摘され、さらに、欧米などからの厳しい制裁でロシア経済が大きな打撃を受けていて、プーチン大統領は国民に支持を呼びかけた形です。

一方、ゼレンスキー大統領は、ビデオメッセージで「私たちは国民と国家を守るという純粋な目標を持っているが、武器や戦闘機が不足している」と述べ、欧米諸国に対して最新鋭の兵器の供与を改めて求めました。

プーチン大統領 “人々のジェノサイドからの解放が目的”

プーチン大統領は、首都モスクワで行われた記念イベントの会場で、およそ10万人の参加者を前に「人々を苦しみやジェノサイドから解放することが軍事作戦の目的だ」と演説し、ウクライナへの軍事侵攻の正当性を改めて強調し、国民に支持を呼びかけました。

またプーチン大統領は、2014年にクリミアを併合したことについて「クリミアを屈辱的な立場から救う必要があった」とも主張しました。
一方、この様子はロシアの国営テレビで放送されていましたが、プーチン大統領の演説の途中で、画面が突然、切り替わり、音楽コンサートの様子が流れました。

その後、改めて、演説はすべて放送され、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「サーバー上の技術的障害によって引き起こされた」と説明しました。

国営テレビの放送でのプーチン大統領の演説の中断は異例で、国民の愛国心を高め団結を呼びかけるイベントでのトラブルに、インターネット上では「いったい何が起きたのか」などと、波紋が広がっています。

ウクライナ大統領 “ロシアは戦争の代償払う”

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、SNSに投稿したビデオメッセージで「ロシアの軍事侵攻はロシア社会がこの25年以上をかけて築いたすべてを破壊するだろう。かつての『暗黒の90年代』に後戻りするだけでなく、自由も失うだろう。それがこの戦争の代償だ」と述べ、軍事侵攻が不当なものだと改めて訴えました。

そのうえで「私たちは国民と国家を守るという純粋な目標を持っているが、武器や戦闘機が不足している」と述べ、欧米諸国に対して最新鋭の兵器の供与を求めたほか、ロシアの船舶の入港停止や、民間企業のロシアからの撤退などの措置を進めるべきだと訴えました。

また、ロシア軍の激しい攻撃が続く東部マリウポリで、避難所となっていた劇場が破壊されたことについては「130人以上が救助されたと聞くが、いまだに数百人ががれきの下にいる」と述べ、砲撃が続く中で救助活動が難航していると明らかにしました。

独仏首脳 プーチン大統領と電話会談 “速やかな停戦を”

軍事侵攻による市民の犠牲が増える中、ドイツとフランスの首脳が18日、相次いでロシアのプーチン大統領と電話会談し、速やかな停戦を働きかけました。

フランス大統領府によりますと、このうちマクロン大統領はロシア軍が攻勢を強めている東部マリウポリをめぐり、市民の救出など人道的な支援を行うため軍による包囲を解除し、すぐに停戦するよう求めました。

また、ドイツ政府によりますと、ショルツ首相もプーチン大統領に対し、戦闘の速やかな停止と、外交による解決を求めたということです。

一方ロシア大統領府によりますと、こうした要求に対し、プーチン大統領は「ロシアは民間人の命を守るためにあらゆる努力をしている」などと主張したほか、停戦交渉については「ウクライナ側は非現実的な提案をして、あらゆる手段を使って交渉のプロセスを遅らせようとしている」と非難したということです。

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