ロシア捜査当局 著名なブロガー含む3人を“偽情報拡散”で捜査

ロシアの捜査当局は16日、著名なブロガーを含む3人について、ロシア軍の活動をめぐり、うその情報を拡散した疑いで捜査に着手したと発表し、プーチン政権がウクライナへの軍事侵攻に反対する人々への締めつけを一層強めています。

ロシアで重大事件を担当する連邦捜査委員会の発表によりますと、捜査対象としたのは、著名なブロガーのベロニカ・ベロツェルコフスカヤ氏など、合わせて3人です。

捜査委員会は、ベロツェルコフスカヤ氏はインスタグラムで「ロシア軍がウクライナで都市を破壊し、子どもを含む市民を殺害したという、うその情報を故意に伝えた」として、刑法の違反行為にあたる疑いがあるとしています。

また、本人が国外にいるという情報があるとして、国際指名手配するとしています。

また、ほかの2人についても「現場の目撃者から得たとしてSNS上でウクライナでのロシア軍の損害に関するうその情報を投稿した疑いがある」と主張し、自宅の捜索や事情聴取を行っているとしています。

今月成立した改正刑法では、ロシア軍の活動について、うその情報を拡散したとみなされれば懲役もしくは禁錮15年が科される可能性があり、3人はこの規定が適用された初めてのケースとみられます。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は16日の会議で「欧米はわれわれの社会を分断し、市民の対立をあおり『第5列』を使ってロシアの破壊という目的を果たそうとしている」と述べ、軍事侵攻に異を唱える人々をスパイを意味する「第5列」と呼んで、締めつけを一層強める考えを示しました。