ウクライナ大統領 ドイツ議会で演説「指導的役割を果たして」

ロシアによる軍事侵攻が続くなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は、17日、ドイツの連邦議会でオンライン形式で演説を行い、「ドイツにふさわしい指導的な役割を果たして戦争をとめてほしい」と述べ、さらなる支援を求めました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、日本時間の17日午後5時すぎからドイツの連邦議会で議員を前にオンライン形式で演説を行いました。

ゼレンスキー大統領は「戦争が始まって3週間で子どもを含む多くの人たちが犠牲になった。ヨーロッパの真ん中でいま起きていることだ」と国内の惨状を訴えました。

そのうえで「ヨーロッパには、ベルリンの壁ではない、自由と不自由を分かつ壁があり、われわれは隔てられている。私たちを助けるはずの平和のための決断がなされないたびに、この壁は大きくなっている」と述べました。

ゼレンスキー大統領としては、ドイツは、ロシアの影響下から逃れたいとするウクライナの立場を理解せず、ロシア産の天然ガスを輸送する「ノルドストリーム2」の計画を進めてきたことなど、自国の経済を優先する政策をとってきたと批判しました。

そしてゼレンスキー大統領は、ベルリンの壁が崩壊する前の1987年に、当時のアメリカのレーガン大統領がベルリンで行った演説で、壁を取り壊すべきだと呼びかけたことに触れたうえで「ショルツ首相に言いたい。ヨーロッパに今ある壁を壊してほしい。後世が誇れるようにドイツにふさわしい指導的な役割を果たしてほしい。戦争をとめてほしい」とさらなる支援を求めました。