ウクライナ侵攻3週間 ロシア軍 黒海沿岸地域でも攻勢強める

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから17日で3週間となりますが、ロシア軍は、南部にある黒海の沿岸地域でも攻勢を強めています。
一方、両国は、停戦交渉を進めていますが、ロシアは、アメリカによるウクライナへの軍事支援に強く反発するなど、交渉の先行きは楽観できない状況が続いています。

ロシアがウクライナに軍事侵攻して17日で3週間となる中、ロシア軍は、首都キエフの包囲に向けて攻撃を続けています。

また、ロシア軍は、南部ヘルソン州の全域を掌握したと宣言するなど、黒海沿岸でも戦闘を激化させ、海軍の艦艇がウクライナ最大の港湾都市、オデッサの近郊の町を砲撃したとみられています。

一方、ロシアのプーチン大統領の側近、パトルシェフ安全保障会議書記は16日、アメリカの安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官と電話会談を行い、アメリカ政府によるウクライナへの兵器の供給など、軍事支援に強く反発したということです。

アメリカ政府は、無人機や対空ミサイルシステムなどを供与すると明らかにしたほか、各国と協力して軍事支援をより強化していく考えを示していて、ロシア側は、こうした動きを強く警戒しているとみられます。

こうした中、ロシアとウクライナの停戦をめぐる交渉が14日からオンライン形式で進められています。

交渉では、ロシアが強く要求してきたウクライナの「中立化」をめぐり、NATO=北大西洋条約機構にウクライナが加盟しない代わりに、ウクライナを防衛するためアメリカや近隣諸国などとの別の安全保障の枠組みについて議論が続いているとみられます。

また、トルコ政府も仲介に動いていて、16日にロシアのラブロフ外相とモスクワで会談したトルコのチャウシュオール外相は、17日にはウクライナを訪問し、クレバ外相と会談する予定です。

ロシアとウクライナの双方からは、一定の合意に近づいているという見方も示されていますが、ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、アメリカのメディアとのインタビューの中で「非常に困難だ」と話すなど、双方の立場が隔たる中で、交渉の先行きは楽観できない状況が続いています。

港湾都市 オデッサとは

オデッサは、黒海に面したウクライナ南部の港湾都市で、温暖な気候から「黒海の真珠」とも呼ばれています。

軍事侵攻前の人口は、キエフ、ハリコフに次いで3番目に多い、100万人余り。東に8400キロ余り離れた神奈川県横浜市とは、昭和40年に姉妹都市となり、交流が続いています。

オデッサ港は、ウクライナ最大の港で、東部で製造された工業製品や南部で生産された小麦などを輸出する、国際貿易港として古くから発展してきました。

また2014年、ロシアがクリミアを一方的に併合したあと、ウクライナ政府は、クリミアにあったウクライナ海軍の司令部の機能をオデッサに移し、沿岸防衛の要と位置づけてきました。

軍事侵攻を続けるロシア軍としては、オデッサを支配することで、ウクライナを国際的な海の物流網から切り離すとともに、海軍の戦力を使えなくするねらいがあるものとみられます。

ロシアとウクライナ 停戦交渉のポイント

ロシアとウクライナの停戦に向けた交渉は、2月28日、3月3日、7日と隣国ベラルーシで3回、双方の代表団が対面で行い、その後は、オンライン形式で進められています。

ウクライナ側は、戦闘の停止やロシア軍の即時撤退、そして戦闘地域からの市民の避難や支援物資の供給を安全に進めるための状況の改善などを強く求めています。

一方、これまでウクライナ側が目指してきたNATO=北大西洋条約機構の加盟については、ウクライナ側は、「今は現実的でない」などとして、必ずしもこだわらない姿勢も示しています。

ただ、ウクライナ側は、NATO加盟に代わり、アメリカやイギリスなど主要国や、近隣のトルコと新たに協定を結び集団的な安全保障の枠組みで自国を防衛する仕組みを要求しているとみられます。

ロシア側は、ウクライナがNATO加盟にこだわらない姿勢を示してきたことに対して「妥協点」になりうるとしていて、新たな安全保障の枠組みなどをめぐり、議論が展開されているとみられます。

一方、ロシア側は、NATOに加盟させないことを法的に保証させる「中立化」、ロシアの脅威となる兵器を撤去させる「非軍事化」のほか、「非ナチ化」と主張するロシア語教育やロシアの文化などに関する制限を撤廃すること、さらには、8年前に一方的に併合した南部クリミアの承認、親ロシア派の武装勢力が事実上、支配している東部地域の独立承認なども要求しているとみられます。

イギリスのフィナンシャルタイムズは、16日、複数の関係者の話として、停戦合意案は、15項目にわたる見通しで、その中には、ウクライナのNATO加盟断念やアメリカなどから安全の確保を得られることと引き換えに、ウクライナ国内に外国の基地を置かないことの確約などが検討されていると伝えています。

双方の代表団などによりますと、交渉では、作業部会を設置して合意文書の作成を目指していて、ウクライナ側は、最終的に、ゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領との間で、首脳会談を実現して停戦合意の署名に持ち込みたい考えを示しています。