ウクライナ大統領 米連邦議会で演説「自由に生きる権利攻撃」

ロシアによる軍事侵攻が続く中、ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間の16日夜、アメリカの連邦議会でオンライン形式での演説を行い「ロシアはわれわれの国や人々だけでなく自由に生きる権利を攻撃している」と述べて、ウクライナに対するさらなる軍事的な支援を求めました。

ゼレンスキー大統領は16日午前、日本時間の16日午後10時すぎから、アメリカ連邦議会の上下両院の議員を前にオンラインで演説しました。

この中でゼレンスキー大統領は、ウクライナ国内の状況について「ロシアはすでに1000発近いミサイルを発射した。数え切れない砲撃も行っている」と述べました。

そして「ロシアはわれわれの国や人々だけでなく自由に生きる権利を攻撃している」と述べ、攻撃は世界に対するものだと位置づけ、ロシア軍機による攻撃から国土を防衛するためウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう求めました。

また、それが難しい場合は、防空システムや戦闘機を供与してほしいと訴えました。

そして、ロシアが軍事攻撃をやめるまでさらなる制裁を科すよう強く訴えました。

そのうえで、ゼレンスキー大統領は「過去の戦争の教訓から、先人たちは戦争から私たちを守るための機構をつくったが、残念ながら機能していない。新たな機構や同盟をつくることが必要だ」と述べて、国連など既存の枠組みが機能していないと指摘して、新しい枠組みの創設を訴えました。

ゼレンスキー大統領はこれまでもウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう求めていましたが、バイデン政権やNATO=北大西洋条約機構は、飛行禁止区域の設定はロシアとの直接の軍事衝突につながるとして、否定的な考えを示しています。