ロシア海軍 戦車揚陸艦4隻が津軽海峡通過 防衛省

防衛省は、ロシア海軍の戦車揚陸艦4隻が16日にかけて津軽海峡を通過したと発表しました。軍用の車両が積まれているのも確認され、防衛省はこれらの車両や艦艇に乗っている兵士がウクライナ侵攻に動員される可能性があるとしています。

防衛省によりますと、15日午後8時ごろ、青森県の尻屋崎の東北東およそ70キロの太平洋をロシア海軍の戦車揚陸艦2隻が航行しているのを、海上自衛隊が確認したということです。

さらに、16日午前7時ごろには、尻屋崎の東北東およそ220キロの太平洋でロシア海軍の別の戦車揚陸艦2隻が確認され、合わせて4隻はその後、津軽海峡を通過し、日本海に出たということです。

防衛省が公開した写真では、このうち1隻の甲板には軍用のトラックとみられる車両が複数積まれているのが確認できます。

防衛省によりますと、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍は、軍管区をまたいで全土で兵力を動かしており、これらの車両や艦艇に乗っている兵士がウクライナ侵攻に動員される可能性があるとしています。

津軽海峡はいわゆる「国際海峡」のため、軍艦を含めて外国の船舶の航行が国際的に認められています。

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、防衛省は、日本周辺でのロシア軍の動向について、警戒・監視を続けています。

松野官房長官「ロシア軍の動向 重大な懸念を持って注視」

松野官房長官は午前の記者会見で「ロシアによるウクライナへの侵略に際し、ロシア軍は全土から兵力を動員させてきていることや、今般確認した戦車揚陸艦の用途を踏まえると、ウクライナ方面に動員される兵員や戦闘車両などを輸送している可能性がある」と指摘しました。

そのうえで「わが国としては、ウクライナ情勢を含めロシア軍の動向について重大な懸念を持って注視しており、引き続き緊張感を持って情報収集や警戒監視を実施していく」と述べました。

そして「今回、津軽海峡を通過した4隻の艦艇を含むロシア海軍が、わが国周辺で軍の活動を活発化させていることについて重大な懸念を持って注視しており、現下の状況に鑑み、ことさらにこの地域で緊張を高めるような行動は慎むべきである旨を、すでにロシア側に対して申し入れている」と述べました。