ロシア 欧州評議会からの脱退通告 「反ロシア政策の道具に」

ロシア政府はヨーロッパの人権侵害などを監視する国際機関、ヨーロッパ評議会を脱退すると通告し、ヨーロッパ評議会は加盟国の閣僚からなる委員会で対応を協議することにしています。

ロシア外務省は15日に声明で「NATO=北大西洋条約機構やEU=ヨーロッパ連合はこの国際機関を反ロシア政策の道具に変え、平等な対話という原則を放棄した」と主張し、ヨーロッパ評議会を脱退すると通告しました。

ヨーロッパ評議会はヨーロッパ人権条約に基づいて、加盟国による人権侵害などを監視する国際機関で、ロシアからの通告を受けて16日に臨時の閣僚委員会で対応を協議することにしています。

ヨーロッパ評議会の下部組織であるヨーロッパ人権裁判所は、去年2月には、ロシアの反体制派の指導者ナワリヌイ氏が逮捕された際に即時釈放を求める決定を行うなど、ロシアでの人権侵害にも目を光らせてきました。

ヨーロッパ評議会を脱退すると、ロシアの国民はヨーロッパ人権裁判所に訴えることができなくなります。

ヨーロッパ評議会は15日に出した声明で、ロシアからの脱退の通告について、「世界で最も進んだ人権保護システムの恩恵をロシア国民から奪うものだ」と非難しました。