ロシア ウクライナ侵攻 16日も3日連続で停戦交渉の見通し

ロシア軍がウクライナへの侵攻を続ける中、双方の代表団によるオンライン形式の停戦交渉が、3日連続で16日も行われる見通しです。
交渉では、ウクライナの、NATO=北大西洋条約機構への加盟に代わる、安全保障の枠組みなどについて議論されているとみられ、双方の主張の隔たりを埋める妥協点を、見いだせるかが焦点です。

ロシア軍は、首都キエフの包囲に向けて砲撃をくわえているほか、南部の黒海沿岸や東部のアゾフ海沿岸の戦闘でも攻勢を強め、市民の犠牲が増え続けています。

停戦に向けた、ロシアとウクライナの代表団による交渉は、14日、オンライン形式で始まり、3日連続で16日も行われる見通しです。

交渉でウクライナ側は、戦闘の停止やロシア軍の即時撤退、それにウクライナの安全を保障する問題などを提起し、代表団のポドリャク大統領府顧問は15日の交渉後「根本的な食い違いがあるが、妥協の余地は確かにある」と述べました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATO=北大西洋条約機構への加盟は、現時点は困難だという認識を、15日、改めて示しており、ウクライナがNATOに加盟しないよう要求してきたロシアとの間で、何らかの一致点を探っていることもうかがえます。

一方、ロシア側の代表団トップ、メジンスキー大統領補佐官は16日、ロシアのメディアに対し「交渉は困難で停滞しているが、できるだけ早い和平を求めている」と述べました。

そのうえで「ウクライナ側からは、オーストリアやスウェーデンのように、自国の軍を持ちながら中立化・非軍事化を目指す案が提示されている」と述べ、交渉では、ウクライナの、NATOへの加盟に代わる、安全保障の枠組みなどについて議論されているとみられます。

これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、メディアに対して、双方の間の妥協点になりうるという考えを示しました。

また、ラブロフ外相も16日「ウクライナの中立的な地位について、安全保障とともに、真剣に議論されている」としたうえで「双方がそれに合意するのは近いと思う」と述べ、歩み寄りがみられていることを示唆しました。

ただ、ロシア側は、ウクライナの「中立化」や「非軍事化」だけでなく、ロシア語教育やロシア文化などに関する制限を廃止することや、8年前、一方的に行ったクリミア併合や、親ロシア派の武装勢力が事実上統治する地域の独立を承認することなども求めています。

双方からは、一定の合意に向けた前向きな発言も出ているものの、依然としてロシア側の強硬な姿勢が根強いことから、主張の隔たりを埋める妥協点を見いだせるかが焦点です。