“公園など集団墓地に死者埋葬 停戦必要” マリウポリ警察署長

ロシア軍の激しい攻撃が続く東部マリウポリで地元の警察のトップを務める、ミハイロ・ベルシニン署長が、通信状況が悪化するなか15日、NHKの質問に音声メッセージで回答しました。

ベルシニン署長は「電気と水道、それにガスが2週間にわたり止まったままだ。病院は患者が多すぎて医薬品が足りない」と述べ、人道状況の極端な悪化を訴えました。

また、ロシア軍による空爆や砲撃で連日、死者が出ているとして「警察官はけが人の搬送にあたり、戦闘に備えている」と緊張した様子で話しました。

そのうえで「公園や病院には集団墓地が掘られ、死者が埋葬されている。行ったことはないが、まるでシリアのアレッポのような状況だと思う」と述べ、シリア内戦中、ロシア軍の空爆で、壊滅的な被害を受けたアレッポと、現在のマリウポリの様子を重ね合わせていました。

人口40万人のマリウポリは「人道回廊」と呼ばれる避難ルートが設置されたあともロシア軍による攻撃がやまず、ウクライナ政府によりますと、15日、およそ2万人が避難したものの、取り残されている市民も大勢いるということです。

ベルシニン署長は「いま必要なものは、水と食料、それから衛生用品・医療用品だ。インフラの復旧の障害となっているがれきも取り除かなくてはならない。そのためにも停戦が必要だ」と述べ、態勢を立て直すため、短い時間であっても停戦が必要だという認識を示しました。