“米は頼りにならない” 中国 ウクライナ情勢めぐり台湾を批判

ウクライナ情勢を受けて、台湾で中国の軍事的脅威に対する警戒感が高まっていることについて、中国政府は、台湾の蔡英文政権がウクライナ情勢に乗じて中台の対立をあおっているとして批判しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、台湾では中国の軍事的な脅威に対する警戒感が高まっています。

これについて、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は16日の記者会見で「台湾の民進党当局はウクライナ問題を利用して人々の危機意識につけ込んでいるが、そこには『独立』をもくろむ意図がある。対立をあおり、敵意を抱かせようとするたくらみは成功しないだろう」と述べ、蔡英文政権を批判しました。

そのうえで、アメリカのバイデン大統領がウクライナに軍の部隊を派遣しないと明言していることを踏まえ「多くの台湾の同胞は、アメリカがみずからの利益を優先し、肝心な時に頼りにならないと認識した。民進党当局は中国を封じ込めようとする外部勢力の『駒』となって『独立』を謀ろうとしているが、台湾を危険に向かわせるだろう」と主張しました。

蔡英文政権は、万一の台湾有事の際にアメリカの軍事的支援を期待していますが、台湾統一を目指す中国としては、アメリカが台湾を守ることはないと印象づけるねらいがあるとみられます。