おもちゃメーカー 小型の月面探査ロボットをJAXAと共同開発

大手おもちゃメーカーが、変形ロボットなどのおもちゃづくりの技術を生かしてJAXA=宇宙航空研究開発機構などと共同で開発した小型の月面探査ロボットが15日公開されました。

報道各社に公開されたのは、月面探査を行うため、タカラトミーがJAXAなどと共同でおよそ6年前から開発を続けてきた直径およそ8センチ、質量250グラムほどの小型ロボットです。

両手におさまるサイズのこのロボットは、月面に到達するまでは球体ですが、月面に着陸後は球体が左右に広がって一部が車輪に変わり、月面を走行できるようになります。

開発にあたっては、メーカーが手がけてきたおもちゃの変形ロボットの設計や製作のノウハウが生かされていて、ロボットの前後には小型のカメラが2台搭載されています。
月面では、1時間から2時間程度、走行して撮影した画像を地球に送信する計画だということです。

このロボットを搭載したロケットは、来年度中に2回打ち上げられる予定で、月面探査の技術を実証したいとしています。

開発に携わったタカラトミーの羽柴健太さんは「おもちゃづくりの技術によって今回の探査で求められていた小型化、軽量化に貢献でき非常にうれしい。まずはミッションを成功させ、今後も宇宙探査に協力していきたい」と話していました。

月探査計画に民間企業の参加 相次ぐ

日本の月探査計画では、JAXA=宇宙航空研究開発機構の無人の探査機「SLIM」を来年度、H2Aロケットで月面に送り込む予定です。

探査機は、月面への着陸技術を実証したり、月の岩石を分析したりする計画です。

そして、こうした月探査計画には、民間企業の参加が相次いでいます。

探査機「SLIM」には2つの小型ロボットがあり、このうちの1つは「タカラトミー」などのメーカーがJAXAと共同で開発しました。

また、東京の宇宙ベンチャー企業「ispace」は、開発した月面探査車と着陸船をことし末以降に順次、アメリカのロケットで月に送り込む計画で、この着陸船にも「タカラトミー」などが開発した小型ロボットが搭載されるほか、別の企業が開発した新しい電池の実証実験なども行われます。

さらに、トヨタは宇宙飛行士が乗って月面を移動する月面探査車をJAXAと共同で研究開発しています。

民間企業が月探査計画に参加する背景には、宇宙空間をビジネスに使おうという機運がアメリカを中心に高まっていて、国は日本の民間企業にも宇宙開発への参入を促していることがあります。

JAXAの宇宙探査イノベーションハブの坂下哲也副ハブ長は「企業には開発を通じた成果を宇宙や地上での事業に活用してもらいたい」と話しています。