マリウポリに家族残る女性“街の人ただただ爆撃で死んでいる”

ロシア軍の激しい攻勢が続く、ウクライナ南東部のマリウポリに家族が残っている、ウクライナ人の女性、ディアナさんが15日、NHKのオンラインインタビューに応じました。

父や兄と 数十秒の電話で安否確認

ディアナさんもマリウポリ出身で、今はウクライナ西部に避難していますが、父や兄が「地域防衛部隊」のメンバーとしてマリウポリに今もとどまっていて、ロシア軍の侵攻当初は人々の避難や食糧支援などに従事していましたが、ロシア軍の爆撃が激しくなってきてからは、がれきの中から負傷者を救出する任務にあたっているということです。

女性は数日に1回、わずか20秒から30秒だけ電話で父や兄と話をして、2人の安否や街の被害状況について確認しているということです。

女性の父や兄によりますと「おとといまでは1日30回から40回の爆撃でしたが、さらに激しくなって、きのうは100回以上の空爆がありました。もはや誰も爆撃の回数を数えられないほど、ひどいことになっている」ということでした。

「街の中に食料品ほとんどなく 飢餓が始まっている」

さらに「ロシア軍の攻撃によって犠牲になった多くの市民は、遺体が収容できず、破壊されたがれきの中でそのままになっている。葬る場所もありません。今できることは負傷した人を探して病院に運ぶことで、医師や看護師たちが懸命に治療にあたっています」と話していました。

また、マリウポリでは水や食糧の不足も危機的な状況になっているということで「街の中には食料品はほとんどなく、飢餓がすでに始まっています。水についても数日前までは外に出てくむことができましたが、今は爆撃のせいで、それも無理になりました」と話していました。

そのうえで「何とかして飛行禁止区域を設定して、爆撃からマリウポリの人たちの命を守ってください。街には避難ルートもなく、ロシア軍は人道的支援を行わせようともしない。街の人たちはただただ爆撃で死んでいっている」と訴えていました。