給付金にデジタル通貨の活用目指す 今月中にも実証実験へ

お札や硬貨の代わりとなる電子的なお金、「デジタル通貨」の実証実験が今月中にも行われることが分かりました。自治体などからの給付金を、すぐに受け取ることができる仕組みを検証するということです。

関係者によりますと、この実証実験は大手銀行や通信会社など70社余りが参加する企業連合が、福島県会津若松市と宮城県気仙沼市で行います。

実証実験は、子育て世帯向けの給付金にデジタル通貨を活用することを想定したもので、対象となる住民が専用のアプリをダウンロードして申請すると、デジタル通貨を即座に受け取ることができます。

受け取ったデジタル通貨はクーポンとして、子育て用品を購入できるという仕組みです。

実験では、市の職員がそれぞれ住民や店舗などの役割を担い、今月中にも行われる見通しで、使いやすさなどについて検証することにしています。

こうした給付金にデジタル通貨を活用できることになれば、迅速な給付や自治体の事務費の削減につながると期待されています。

企業連合としては、新年度・2022年度中の実用化を目指し、来月以降もより実際に近い形での実証実験も行うことにしています。

実装実験を行うデジタル通貨は

今回、実証実験を行うデジタル通貨は「DCJPY」と呼ばれるもので、民間主導で開発が進められています。

発行の主体は銀行で、取り引きの最小単位を1円として、通常のお金と同じ価値で使われることを想定しています。

今回の実証実験では、子育て世帯向けの給付金にデジタル通貨を活用することを想定していますが、政府が打ち出した18歳以下への10万円相当の給付をめぐっては、所得制限を設けたうえで現金とクーポンを組み合わせると事務費が巨額になり、手間もかかるとして自治体から反発が出ました。

デジタル通貨はさまざまな決済に利用されることが想定されていますが、こうした給付金にデジタル通貨を活用できるようになれば、迅速な給付や事務費の削減につながるメリットがあると期待されています。

中央銀行が発行するデジタル通貨についても各国で研究が進められていて、中国が「デジタル人民元」を北京オリンピックの会場で使えるようにするなど、実用化に向けて先行しているとされています。

アメリカのバイデン大統領が今月、「デジタルドル」の発行の可能性を検証するため研究や技術開発を急ぐよう政府機関に指示したほか、日銀も実証実験を進めています。