北京パラリンピック閉会式【時系列まとめ】10日間の大会に幕

北京パラリンピックの閉会式が13日に行われました。今大会は10日間の開催中もロシアによるウクライナへの軍事侵攻が行われる異例の状況が続く中で幕を下ろしました。

北京パラリンピックは、大会直前にRPC=ロシアパラリンピック委員会とベラルーシの選手の出場を認めない異例の決定が下されたあと、10日間にわたり6競技78種目が行われました。そして閉会式は日本時間の13日午後9時から国家スタジアム、通称「鳥の巣」で行われました。

閉会式の中ではIPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長があいさつし「3大会連続のアジア開催を経てパラリンピック・ムーブメントはより大きく、より強くなった。あなたたちが実現したのは驚くほどすばらしく、不安のまったくない華々しい大会だった」などと述べました。

最後に聖火が消えたあと、会場の周りには花火が打ち上げられ、10日間の冬のパラスポーツの祭典が閉幕しました。

開催期間を通してウクライナへの軍事侵攻が続く異例の状況下で行われた今大会は、「平和の祭典」の意義を改めて問うものとなりました。

【以下 閉会式詳細】

日本時間21:00 閉会式始まる

北京パラリンピックの閉会式が始まりました。会場は開会式と同じ「国家スタジアム」、通称“鳥の巣”です。総合演出はオリンピックの開閉会式とパラリンピックの開会式の演出も手がけた映画監督のチャン・イーモウさんです。
今月4日に始まった大会は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、ロシアパラリンピック委員会とベラルーシの選手は出場が認められず46の国と地域の選手が参加して10日間の日程で6競技78種目が行われました。

21:03 “レコード”に競技のピクトグラム

冒頭、会場の中に大きなレコードが現れました。
その針がパラリンピックで行われたバイアスロンやアルペンスキーなど6つの競技のピクトグラムが描れていきました。

21:06 中国国旗掲揚と国歌演奏

中国の習近平国家主席とIPC=国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長が紹介されたあと、中国の国旗が掲揚され、国歌の演奏が行われました。

21:08 選手入場始まる 2番目の日本の旗手は川除大輝

選手たちの入場が始まりました。日本の旗手は開会式に続いて、クロスカントリースキーの川除大輝選手が務めています。
川除選手は今大会、初の金メダルを獲得しました。日本は4つの競技に29人の選手が出場し、金4個、銀1個、銅2個のメダルを獲得、金メダルの数で9番目となりました。

21:09 ウクライナも入場 獲得メダル数は全体の2番目

ウクライナの旗手はバイアスロンで金メダルを獲得したビタリー・ルキヤネンコ選手が務めました。ウクライナはロシアの軍事侵攻を受ける中での参加となりましたが、バイアスロンで表彰台を独占するなどメダルは金11、銀10、銅8の合わせて29で、金メダルの数、総数ともにウクライナ史上最多となりました。
父親がロシア軍の捕虜となった選手や自宅のマンションが爆撃された選手もいた中で、選手団は大会中も平和を訴え続けました。

21:10 開催国中国が入場 獲得メダルは大会最多

開催国の中国の旗手が入場しました。中国は116人の選手が出場し、メダルの数は金18、銀20、銅23の合わせて61個で最多です。

21:16 ボランティアに感謝の気持ち表し花束など贈呈

今大会のおよそ1万8000人のボランティアに感謝の気持ちを表す時間が設けられました。
IOC=国際オリンピック委員会のアスリート委員からボランティアの代表に花束と大会のマスコット、シュエ・ロンロンの人形が手渡されました。この人形は障がいのある人が手編みで作ったものだということです。
そしてIPCのアスリート委員に新しく選ばれたノルウェーとカナダの選手が紹介されました。

21:24 「愛の呼びかけ」テーマにパフォーマンス

再び巨大なレコードが現れ、「The Call of Love」=「愛の呼びかけ」をテーマとしたパフォーマンスが行われました。
視覚障害がある4人の歌手が「どんな困難な時でもあなたがいれば乗り越えられる」という気持ちを歌った愛の歌を披露しました。それに合わせて、聴覚に障害がある200人が手を取って踊り、最後に中心に現れた笑顔の絵に「LOVE」の人文字が浮かび上がりました。

21:27 次回開催地ミラノとコルティナダンペッツォへ旗引き継ぎ

4年後の2026年、次回の開催都市に引き継ぐセレモニーが行われました。開催都市となるイタリアのミラノとコルティナダンペッツォにパラリンピックの旗が引き継がれました。そしてイタリアで人気の女性歌手が、このセレモニーのためにアレンジされた国歌を歌いました。

21:33 「ミラノ・コルティナで会いましょう」

ミラノ・コルティナダンペッツォ大会のPR映像が会場に流されました。
「We Are The Light」と題してパラリンピック選手たちを世界を照らす光に例えています。そして最後に「ミラノ・コルティナで会いましょう」というメッセージが映し出されました。

21:35 大会組織委会長「手を携えともにすばらしい未来へ」

大会組織委員会の蔡奇会長があいさつし「みなさんは私たちに人生に対する明るく前向きな姿勢を示し、粘り強く競い合う精神を見せてくれた。全世界に冬のパラリンピックの持つ魅力を伝えてくれた。引き続き、勇気、強い意志、インスピレーション、公平というパラリンピックの価値を発揮し、手を携えともにすばらしい未来に向かいましょう」と呼びかけました。

21:37 IPCパーソンズ会長「対話できる世界に生きることを望む」

IPCのパーソンズ会長が5分余りにわたってあいさつを行いました。
この中でパーソンズ会長は「アスリートの皆さん、最も困難なこの時にあなた方のパフォーマンスが明るく輝きました。逆境の中で多様性の力強さを示し、人々をワクワクさせ、驚かせ刺激を与えてくれました」と選手たちをたたえました。
そのうえで、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻には直接、触れませんでしたが、「私たちは一体となりました。共通の未来に向かうために。一体となることで希望が生まれます。生きること、調和への希望、そして平和への希望です。人は対話ができる世界に生きることを望みます。世界の指導者たちが誇り高きパラリンピアンたちの行動にならうことを願っています」と呼びかけました。

21:45 選手たちの活躍の日々が映し出される

会場に再びレコードが現れました。そして、今大会のハイライト映像が流されました。その後、古代中国の「日時計」も現れ、そこに選手たちの活躍の日々が映し出されました。

21:50 聖火が消され大会が閉幕

最後に聖火の炎が徐々に小さくなっていき、完全に消されるとスタジアムの上空には「北京 2022」の文字など盛大な花火が打ち上げられて10日間にわたって行われた大会は幕を閉じました。