ロシア軍 各地で攻勢強める ベラルーシ軍合流を警戒する見方も

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、首都キエフの周辺など各地で攻勢を強めています。ロシアのプーチン大統領が同盟関係にあるベラルーシとの結束を強調するなか、ベラルーシ軍が侵攻を続けるロシア軍に合流するなど関与を強めないか、警戒する見方が出ています。

ロシア国防省は12日、これまでにおよそ3500の軍事施設や車両などを破壊したと発表するなど攻勢を続けています。ロシア軍は首都キエフを包囲しようと3方向から部隊を前進させているとみられていて、ロシア国防省は12日、キエフの南西にある軍用の飛行場やキエフ郊外の軍の施設を攻撃したと明らかにしました。
また、ウクライナ西部のルツクとイワノフランキフスクにある飛行場を長距離のミサイルで攻撃したとも発表していて、アメリカ国防総省は西部への攻撃を行った背景について分析を進めています。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は11日、ベラルーシのルカシェンコ大統領とモスクワで会談し、両国の結束を強調しました。

ベラルーシ大統領府の報道官によりますと、両首脳は近くロシアからベラルーシに最新鋭の兵器が提供されることで合意したということです。

一方、ウクライナ空軍は11日、ロシア軍がウクライナとの国境付近にあるベラルーシ領内の村を爆撃したと発表しました。

ベラルーシ国防省や国境警備隊はロシアによる攻撃を否定していますが、ウクライナ大統領府の高官は「ベラルーシを参戦させようとするロシアによる偽装工作ではないか」と指摘しました。

ロシアとしては戦況を有利に進めるため同盟関係にあるベラルーシ軍も参戦させたいと考えているとみられ、ベラルーシ軍がロシア軍に合流するなど関与を強めないか、警戒する見方が出ています。