JR各社 きょうダイヤ改正 東日本や西日本は過去最大規模減便に

JR各社は12日、春のダイヤ改正を行いました。
新型コロナウイルスの影響で鉄道の利用客が減少する中、JR東日本や西日本は過去最大規模の減便となっています。

JR各社は12日、新型コロナの影響による利用客の減少などを反映させたダイヤ改正を行いました。

JR東日本は、平日・休日ともに運行本数を減らしていて、平日の場合、首都圏や東北などエリア全体で、▽新幹線で25本、▽特急で15本、▽快速や普通列車で199本の合わせて239本の減便となりました。

このうち、朝の通勤時間帯では、山手線など首都圏の16の路線で、1時間当たり1本から4本の運行を減らしています。

また、JR西日本も平日の場合、▽新幹線で5本、▽特急で2本、▽快速や普通列車で206本の合わせて213本の減便となりました。

JR東日本と西日本では、35年前の昭和62年に会社が発足して以来、最大規模の減便になるとしています。

JR東日本の深澤祐二社長は「新型コロナの影響を受けてお客様の行動も大きく変わり、効率的で柔軟なダイヤを設定した。情勢の変化に応じて、より柔軟に対応していきたい」と話しています。

大規模減便の背景は

JR東日本と西日本が大規模な減便に踏み切った背景にはコロナ禍でテレワークが普及するなどの「働き方の変化」があります。

その裏付けの1つとされるのが、定期券の販売収入の減少です。

JR東日本では、去年4月から12月までの在来線の定期券の販売収入が2696億円と、新型コロナ感染拡大前の3年前の同じ時期に比べて972億円、率にして26%減っています。

コロナ禍が長期化する中、都市部を中心に在宅勤務が定着しつつあり、JRは今後、新型コロナが収束してもこの流れは変わらないのではないかとみていて、少しでも採算の改善につなげるため、大幅な減便に踏み切ったとしています。

経営の効率化図る動きも

新型コロナの影響で鉄道の利用客が落ち込み厳しい経営が続く中、今回のダイヤ改正では経営の効率化を図ろうという動きも出てきています。

JR東日本は、八高線と川越線で運転士1人で車掌は乗り込まない「ワンマン運転」を新たに始めました。

また、JR九州は、12日から▽長崎本線や▽日豊本線、▽鹿児島本線など合わせて22の駅で駅員がいない「無人駅」となったほか、管内の合わせて48の駅ではきっぷの販売窓口が廃止となりました。