パンデミック2年 正常化へ“変異ウイルスの備え重要” 専門家

WHO=世界保健機関が、新型コロナウイルスがパンデミック=世界的な大流行になったとの認識を示して11日で2年となりました。
欧米を中心にパンデミックからの脱却を目指す動きが活発となる中、専門家は、今後、社会の正常化を進めるためには、新たな変異ウイルスが出現し、感染者が急増する場合などへの備えを各国政府が整えていくことが重要になるとしています。

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、世界全体で新型コロナウイルスの感染が確認された人は、4億5000万人以上、死者は600万人以上にのぼっていますが、一方で、ワクチン接種などによって重症者や死者の割合が減少するなどして欧米を中心に規制を緩和し、パンデミックからの脱却を目指す動きが相次いでいます。

これについて新型コロナ対策に詳しいジョージ・ワシントン大学のデビッド・マイケルズ教授は、ワクチンや治療薬が開発され、新型コロナがかつてほどの脅威ではなくなったいま、ウイルスが今後も存在することを前提に社会を正常化していく取り組みが必要になるとしています。

具体的には、新たな変異ウイルスが出現し、急速に広がるような場合がありうるとしたうえで
▼変異ウイルスの出現を早期に捉える検査態勢の構築や
▼ワクチン接種率の向上のための取り組み、
▼また重症化を抑える治療薬を速やかに患者に届ける態勢などリスクを減らしていくための取り組みが必要だとしています。

マイケルズ教授は「このウイルスは変異を続けていて私たちはそれに備える必要がある。ニューノーマル=新たな常識に向けた投資を行うことで新型コロナウイルスが社会に与える負荷はより軽くなるだろう」と話しています。

パンデミックからの脱却をめぐっては、イギリスのジョンソン首相が、新型コロナウイルスに感染した人に義務づけられている隔離など、すべての法的な規制の撤廃を盛り込んだ出口戦略を発表したほか、アメリカも、▼重症者などを指標として感染対策のレベルを切り替え、▼検査で陽性となったらその場で治療薬が手に入る態勢作りなどを柱とした戦略を発表しています。