日本企業 ロシアのビジネス「縮小する」17% ロシア離れ加速

ウクライナへの軍事侵攻を受けて、欧米などによる経済制裁が強まる中で、ロシアのビジネスを「縮小する」と答えた日本企業が2月の時点で、2割近くに上っていることが分かりました。

これはJETRO=日本貿易振興機構がロシアの軍事侵攻が始まった直後の2月24日と25日にロシアに進出する日本企業、およそ210社を対象に緊急アンケートを行い、89社が回答しました。

それによりますと、欧米などによる経済制裁について「ビジネスに悪影響だ」と回答した企業は77社で全体の87%にのぼりました。

具体的な影響について複数回答で尋ねたところ、
▽ルーブルの下落に伴う販売価格への影響などが71%、
▽海外送金や入金決済の困難が52%、
▽ロシアのイメージ悪化による事業方針の変更が39%などとなりました。

また、半年から1年後のロシアでの事業についてたずねたところ「縮小する」と回答した企業は全体の17%と、1月に行った同様の調査と比較して14ポイント増加しました。

この調査をおこなった2月下旬以降、幅広い業種で現地でのビジネスを一時、取りやめる動きが相次いでいて、日本企業の“ロシア離れ”はいっそう加速する形となっています。

専門家「ネガティブなイメージ 覆すこと容易ではない」

調査を行ったJETRO海外調査部ロシア・CIS担当の下社学主幹は「ここまでロシアという国の評価が厳しいものになると、一旦定着してしまったネガティブなイメージを覆すことは容易ではない。日本企業の間でも事業の縮小や撤退を余儀なくされる動きは当面、加速するのではないか」としています。

一方で、プーチン大統領がロシアからの事業撤退を決めた外資企業をけん制していることについては「ロシアに対する経済制裁が強化されると当然、ロシアの対抗措置は強化される。ロシア経済がどこまで耐えられるのかもみないといけない」と述べました。