コロナ新規感染者 1週間平均 全国で減少続くも一部で増加傾向

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では緩やかな減少傾向が続く一方で、まん延防止等重点措置がすでに解除された地域の一部など、増加傾向が見られるところもあります。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽先月10日までの1週間では前の週に比べて1.11倍と増加傾向でしたが、
▽先月17日は0.88倍、
▽先月24日は0.88倍、
▽今月3日は0.92倍、
▽今月10日まででは0.86倍と4週連続で緩やかな減少傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ5万6700人と依然として多い状態が続いています。

重点措置の地域

今月21日まで重点措置が延長された18の都道府県では、大都市圏を中心に感染者数が多い状況が続いているもののおおむね減少傾向となっています。

【東京都】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.84倍、
▽今月3日は0.91倍、
▽今月10日まででは0.83倍と4週連続で緩やかな減少傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数は9402人とおよそ1か月半ぶりに1万人を下回りましたが、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は468.51人と、全国で最も多くなっています。

【神奈川県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.93倍、
▽今月3日は0.91倍、
▽今月10日まででは0.91倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ5733人となっています。

【埼玉県】
▽先月24日までの1週間は前の週の1.01倍、
▽今月3日は0.84倍、
▽今月10日まででは0.89倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3878人となっています。

【千葉県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.88倍、
▽今月3日は0.89倍、
▽今月10日まででは0.92倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3289人となっています。

【大阪府】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.80倍、
▽今月3日は0.86倍、
▽今月10日まででは0.73倍と減少傾向が続いていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ5877人となっています。
直近1週間の人口10万当たりの感染者数は466.30人と、東京都に次いで2番目に多くなっています。

【京都府】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.87倍、
▽今月3日は0.82倍、
▽今月10日まででは0.80倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1186人となっています。

【兵庫県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.89倍、
▽今月3日は0.85倍、
▽今月10日まででは0.87倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3003人となっています。

【愛知県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.87倍、
▽今月3日は0.89倍、
▽今月10日まででは0.81倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3680人となっています。

【岐阜県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.80倍、
▽今月3日は0.92倍、
▽今月10日まででは0.80倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ550人となっています。

【北海道】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.81倍、
▽今月3日は0.86倍、
▽今月10日まででは0.81倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1675人となっています。

【その他】
▽青森県は今月10日までの1週間では前の週の1.06倍、
▽茨城県は1.07倍、
▽栃木県は0.76倍、
▽群馬県は0.90倍、
▽石川県は0.85倍、
▽静岡県は0.88倍、
▽香川県は0.97倍、
▽熊本県は1.12倍となっています。

重点措置 解除された地域

すでに重点措置が解除された地域のうち、広島県や福岡県、沖縄県などは横ばいか緩やかな減少傾向となっていますが、一部で増加傾向となっている地域もあります。

【広島県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.83倍、
▽今月3日は0.96倍、
▽今月10日まででは0.97倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ665人となっています。

【福岡県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.79倍、
▽今月3日は0.94倍、
▽今月10日まででは0.86倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は2550人となっています。

【沖縄県】
▽先月24日までの1週間は前の週の1.02倍、
▽今月3日は1.41倍、
▽今月10日まででは0.86倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ688人となっています。

【その他】
▽山形県は今月10日までの1週間では前の週の1.11倍、
▽福島県は1.28倍、
▽長野県は1.01倍、
▽島根県は1.05倍、
▽山口県は1.20倍と、横ばいか増加傾向となっている地域もあります。

重点措置 適用されていない地域

今回、重点措置が適用されていない地域でも増加傾向となっているところがあります。

【福井県】
▽先月24日までの1週間は前の週の1.15倍、
▽今月3日は1.13倍、
▽今月10日まででは1.22倍と増加傾向が続いていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ389人となっています。

【愛媛県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.93倍、
▽今月3日は1.27倍、
▽今月10日まででは1.08倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ282人となっています。

専門家「年度替わりの時期 予防対策強化を」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「感染のピークを過ぎていることは確かだが、減る速度はかなりゆっくりで、特にまん延防止等重点措置を解除した自治体は減りが止まっているところもあるようだ。3回目のワクチンの追加接種が進んでいないことや寒い季節だということ、それに子どもと高齢者の間で広がっていることなどの要因が考えられる。子どもや高齢の世代にはもう少し積極的な対策が必要ではないか」と話しています。

また、今月21日が期限となっているまん延防止等重点措置の解除については「感染者数の減少が緩やかな状況の中で解除するとなると、ちょうど人の移動が激しい年度替わりの時期に当たる。それが感染の再燃を招くおそれもあるため、解除の判断は非常に注意していかないといけない。年度替わりの時期は花見や行楽も盛んになるため、予防対策を強化することも心がけてほしい」と話しています。