「ロシアとの8項目の経済協力プランは当面見合わせ」官房長官

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて松野官房長官は、日本とロシアで進めてきた産業振興やエネルギー開発など8項目の経済協力プランに関係する政府の事業を当面見合わせたいという意向を示しました。

日ロ両政府は、2016年に当時の安倍総理大臣がロシアのプーチン大統領に産業振興やエネルギー開発など8項目の経済協力プランを提案し、関係する事業を進めてきました。

これに関連し、松野官房長官は衆議院内閣委員会で、「ロシアとは政治、経済、文化など幅広い分野で日ロ関係全体を発展させられるよう粘り強く平和条約交渉を進めてきたが、ウクライナ情勢を踏まえればこれまでどおりとすることはもはやできない」と指摘しました。

そのうえで、「8項目の協力プランを含むロシアとの経済分野の協力に関する政府の事業は当面見合わせることを基本に、国際的な議論も踏まえてエネルギーの安定供給や人道上の配慮に留意しながら対応する」と述べました。

松野官房長官「民間事業は個別に検討」

松野官房長官は午後の記者会見で「現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアとの関係で新たな経済分野の協力を進めていく状況にはない」と強調しました。

そのうえで「既存の民間プロジェクトについては、医療分野やエネルギー分野をはじめとする多岐にわたる事業があり、その進捗(しんちょく)状況もまちまちだ。今後、必要に応じて、それぞれの事業ごとに対応が検討されていくと考えている」と述べました。