ユニセフ “10日余で子ども約100万人がウクライナから避難”

ロシアによる軍事侵攻を受けて、ウクライナから周辺国に逃れる人が急増する中、ユニセフ=国連児童基金の報道官は、避難を余儀なくされた子どもの数は、すでに100万人に上るとして、深刻な事態に強い懸念を示しました。

ウクライナ西部のリビウで活動を続けるユニセフのエルダー報道官が9日、NHKのインタビューに応じました。

この中で、リビウの状況について、首都キエフなど、各地から数十万人が逃れてきていて、鉄道の駅は隣国のポーランドに向かう列車に乗るため、人々が押し寄せているということです。

駅では、リビウまでは家族で来たものの、男性は出国を禁じられているために、父親が子どもに別れを伝え、家族が嘆き悲しむ様子が見られるということです。

ウクライナから周辺国に逃れた人は、すでに200万人を超えていますが、エルダー報道官は「わずか10日余りで子どもだけで、すでにおよそ100万人が避難を余儀なくされた。第2次世界大戦以降、起きたことがない事態だ」と述べ、強い懸念を示しました。

また、ユニセフでは、リビウを拠点に人道支援活動を展開していて、国外から運び込まれた医薬品などを、いったんはリビウで受け取り、キエフなどウクライナ各地に送っています。

戦闘の激しい町では、地下に避難した女性が、そこで出産せざるをえないことも起きているため、出産をサポートする医療用品などを送っているということです。