スリランカ 財政悪化で一日に最大7時間半の計画停電も

コロナ禍で財政が悪化した南アジアのスリランカでは、石油などの輸入がこれまでどおりにできなくなり、一日に最大で7時間半の計画停電を余儀なくされています。ウクライナ情勢を背景にエネルギー価格は上昇していて、現地では状況がさらに深刻になることへの懸念が強まっています。

スリランカでは、コロナ禍で観光による収入が減少したことなどから財政が悪化し、外貨準備の残高は去年末の時点で27億ドル余りと、1年でほぼ半分に減りました。

外貨不足によって石油の輸入が滞り、発電所の稼働が落ち込んでいるため、先月下旬から国内の大半を対象に計画停電が始まっていて、地域によっては、一日に7時間半実施されるところも出ています。

最大都市コロンボでは、停電になると信号機が消えて暗くなり、自家発電の設備がある一部の店に明かりがともるだけになっていました。

また、ガスも輸入が減ったことで価格が高騰していて、オーブンを使えなくなったパンの販売店が相次いで休業しているということです。

休業中のパンの販売店のオーナーは「私たちはとても怒っている。誰もガスの価格をコントロールできていない」と訴えていました。

エネルギーの価格は、ウクライナ情勢を背景に一段と上昇していて、現地では状況がさらに深刻になることへの懸念が強まっています。