“マリウポリの産院にロシア軍が攻撃” ゼレンスキー大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、ツイッターで、東部マリウポリの産院がロシア軍の攻撃を受け、がれきの下敷きになっている人がいると明らかにし「残虐だ。世界はいつまでテロを無視する共犯でいるつもりなのか。いますぐ空を閉ざせ。殺りくを止めろ」などと書き込みました。

複数の外国メディアはウクライナの当局者の話として、これまでに17人のけが人が確認されたものの、死亡した人はいないと伝えています。

AP通信が現地の状況だとして配信した動画には、けがをした妊婦とみられる女性が担架で搬送される様子や、割れたガラスなどが床に散乱している様子が映っています。

また、イギリスのジョンソン首相もツイッターで「弱者や無防備な人を標的にすることほど下劣なことはない。プーチン大統領のおそろしい犯罪の責任を追及していく」とロシアの攻撃を批判しました。

ユニセフ“子どもと女性ががれきの下じきの情報に恐怖”

ウクライナのゼレンスキー大統領が東部マリウポリの産院がロシア軍の攻撃を受けたと明らかにしたことについて、ユニセフ=国連児童基金のラッセル事務局長は9日、声明を発表し、「子どもと女性ががれきの下じきになっているという情報に恐怖を感じている。死傷者の数は不明だが最悪の事態をおそれている」としました。

そのうえでウクライナでは、ロシアの軍事侵攻から2週間たらずで、少なくとも37人の子どもが死亡し、100万人を超える子どもが国外に避難したとして、直ちに子どもや民間施設への攻撃をやめるよう訴えました。

松野官房長官「状況を深刻に懸念」

松野官房長官は、午後の記者会見で「ロシア軍は学校や病院、住宅なども攻撃し、多数の民間人が死亡している。このような状況をわが国も深刻に懸念している。国際秩序の根幹を守り抜くためきぜんと行動し、こうした暴挙には高い代償が伴うことを示していかなければならない。ロシアが侵略をやめ、国際社会の声に耳を傾けるよう引き続きG7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携して適切に対応する」と述べました。

また、「いわゆる人道回廊の設置は両国間で10ルートで合意されたという報道があり、民間人の避難が実際に進むのか注視したい」と述べました。