再び生乳廃棄の懸念 春休みで需要減 消費拡大を呼びかけ

学校が春休みとなる年度末に牛乳や乳製品の原料となる生乳の需要が減り、廃棄される懸念があるとして、JA全中=全国農業協同組合中央会は消費の拡大を呼びかけるなど対策に取り組むことにしています。

生乳をめぐっては新型コロナの影響で業務用のバターや脱脂粉乳の需要が落ち込み、去年の年末から年初にかけて余って大量に廃棄されるおそれが出ました。

JA全中=全国農業協同組合中央会によりますと、年末年始は大量の廃棄は避けられたものの、学校が春休みに入り給食がなくなるこの年度末には再び需要が減り、生乳が余る懸念があるということです。

このためJA全中は、消費者に改めて消費拡大を呼びかけるとともに、廃棄を回避するため関係機関と連携を強化して対策に取り組む方針です。

JA全中の中家徹会長は9日の定例会見で「年末年始はなんとか廃棄を回避できたが、今度は年度末から5月の連休にかけて危機感を持っている」と述べました。

一方、産地での不作やウクライナ情勢の緊迫化によって価格が上昇している小麦について、中家会長は「日本はロシアやウクライナから直接輸入していないが、国際的な相場で急激に値上がりするなど間接的な形で影響はあると思う。ただ、今の段階ではまだ不透明だ」と述べました。