ロシア サハリンでの石油天然ガス事業 日本の撤退は難しいか

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、欧米の企業が相次いで撤退を表明しているサハリンでの石油・天然ガス開発事業。日本も深く関わっていますが、現時点ではエネルギー安全保障などの観点から撤退は難しいのではないかという見方が政府内で広がっています。

ロシア極東・サハリンで行われている石油と天然ガスの大型開発プロジェクトには政府や日本企業も関わり、原油やLNG=液化天然ガスを輸入しています。

しかしロシアの軍事侵攻を受けて、イギリスの石油大手シェルやアメリカの石油大手エクソンモービルが相次いで撤退を表明しました。

日本の動向が注目されていましたが、萩生田経済産業大臣は9日、衆議院の経済産業委員会で、「日本が撤退してロシアがダメージを受けるなら制裁になるが、撤退してもダメージを与えられなければ塩を送ることにもなってしまう」と述べました。

政府内ではエネルギー安全保障の観点から調達先を中東以外にも確保しておくべきだなどの意見が多く、現時点では撤退は難しいのではないかという見方が広がっています。

ただ、軍事侵攻の状況や国際世論の動向によっては何らかの対応を迫られる可能性もあり、政府内で慎重に議論を行っています。