ロシア産原油輸入禁止 日本はすぐに輸入を止めるのは難しいか

アメリカが、軍事侵攻を続けるロシアへの追加の経済制裁として、ロシア産の原油などの輸入を禁止する措置を発表しました。
一方、日本はエネルギー安全保障の観点から、すぐに輸入を止めることは難しいのではないかとの見方が政府内で広がっています。

アメリカのバイデン大統領は8日、ロシア産の原油や天然ガス、石炭などのエネルギーの輸入を全面的に禁止する大統領令に署名しました。

またイギリスもロシア産の原油の輸入を段階的に停止する方針を明らかにし、アメリカに歩調を合わせました。

日本は原油のほとんどを輸入に依存していて、JOGMEC「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」によりますと、ロシアからの輸入量は去年は全体の3.6%だということです。

日本は1970年代に起きたオイルショックによる経済的な打撃を受けて、中東依存度を下げて、エネルギー調達を多角化することを目指していますが、現時点でも中東依存割合は90%を超えています。

ロシア産原油の輸入割合は高くはないものの、エネルギー安全保障上の観点から、すぐに輸入を止めることは難しいのではないかという見方が政府内には広がっています。

ただロシアのウクライナへの軍事侵攻の状況次第では、アメリカなどとの協調を求められる可能性もあり、政府で対応を検討しています。

岸田首相「アメリカとは緊密にやり取り」

アメリカのバイデン大統領が、ロシア産の原油などの輸入を禁止する措置をとると発表したことについて、岸田総理大臣は記者団に対し、「アメリカとは緊密にやり取りを行っている。きのうバイデン大統領は会見で『同盟国の多くが参加する立場にないことを理解したうえで、この措置を進めている。アメリカはエネルギーの純輸出国であり、ほかの国々ができないような場合でもこの措置ができる』と表明している」と述べました。

そのうえで、「わが国としてはそうした状況を踏まえつつ、安定供給と安全保障を国益として、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携し、しっかり取り組んでいきたい」と述べました。

松野官房長官「産油国に増産働きかけを継続」

松野官房長官は、午後の記者会見で「原油価格はロシアのウクライナ侵略などを受けて上昇傾向が継続しており、企業活動や暮らしへの影響が懸念される。政府としては国際的な協調のもと、民間備蓄の放出を速やかに進めるとともに、産油国に対する増産の働きかけを継続していく」と述べました。

そのうえで、「国際秩序の根幹を守り抜くため、みずから断固として行動していく必要がある。国民や日本企業などにさまざまな影響がおよぶことは避けられないが、この大きな目的のため、ウクライナ国民への連帯を示すべく行動することの重要性をご理解いただきたい」と述べました。

また、EU=ヨーロッパ連合が、天然ガスの輸入の半分近くをロシアに依存してきた状況から2030年までに脱却するとした方針を発表したことに関連し「海外からのエネルギーの調達先は、特定の地域に依存せずにさまざまな国からの輸入となるよう、これまで以上に取り組んでいく」と述べました。

そのうえで、「産油国、産ガス国への増産の働きかけや、調達先の多様化につながる開発への積極的な投資、緊急時における安全な代替輸送路の確保といった、あらゆる手段を通じて、エネルギーの安定供給を維持していきたい」と述べました。