トヨタ自動車 労使交渉が妥結 集中回答日1週間前の妥結は異例

ことしの春闘で、トヨタ自動車は9日、賃上げとボーナスについて、組合の要求どおりとなる満額回答を示しました。今月16日が大手企業の集中回答日となっていますが、その1週間前にトヨタの労使交渉が妥結するのは異例です。

ことしの春闘で、トヨタ自動車の労働組合は「職種別」や「階級別」に12パターンの賃上げ要求を示し、ボーナスについては、月給の6.9か月分を要求しました。

労使交渉は先月から始まり、3回目となる9日の交渉で、豊田章男社長は「コロナ禍に半導体不足が重なり、先が見通せない中でも動き続けてくれた組合員の頑張りに感謝する。賃金・賞与については要求どおりとする」などと述べ、組合の要求に対して満額回答を示しました。

ことしの春闘では、今月16日が大手企業の集中回答日となっていますが、その1週間前にトヨタの労使交渉が妥結するのは異例です。

会社は満額回答と早期の妥結について、自動車も含めた、さまざまな業界の処遇改善につなげるため、今回の判断に至ったと説明しています。

ことしのトヨタの労使交渉は、1回目の交渉で豊田社長が「賃金・賞与について会社と組合の間に認識の相違はない」と発言し、賃金をめぐる交渉が事実上、決着するなど異例の展開をたどりました。