ウクライナ選手 “父がロシア軍捕虜に” 出場取りやめ

北京パラリンピックに参加しているウクライナの選手が、父親がロシア軍の捕虜となり「精神的に出場できる状態ではなくなった」として、8日に予定していたバイアスロン競技への出場を取りやめたことがわかりました。

この選手は8日に行われたバイアスロン女子10キロに出場する予定でしたが、急きょ出場を取りやめました。

その理由についてウクライナ選手団の広報責任者はNHKの取材に対し、この選手の父親がウクライナ東部の要衝マリウポリでロシア軍の捕虜となり「精神的に出場できる状態ではなくなった」と説明しました。

北京パラリンピックのウクライナ選手団は、母国がロシアから軍事侵攻を受けて一時、大会出場が危ぶまれましたが、国際パラリンピック委員会などの支援によって20人の選手が大会直前に北京に入り、8日までに金メダル6つを含む17個のメダルを獲得しています。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻はいぜん続いていて、競技後のインタビューでは選手たちが母国の厳しい状況や家族の安否を心配し、軍事侵攻の終結を願う声が相次いで聞かれています。