CIA分析 プーチン大統領は「不満と野心交じり 長年いらだち」

アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官は8日、議会下院の情報特別委員会で証言し、ウクライナへの軍事侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領について「深い個人的な信念に基づいて、ウクライナを支配しようと決断している。不満と野心が交じる中、長年いらだちを感じていた」と分析しました。

そのうえで「プーチン大統領は助言する側近たちの輪をどんどん小さくしていった。新型コロナウイルスの影響でその輪はさらに小さくなった」と述べ、プーチン大統領は新型コロナの感染対策でモスクワ郊外の公邸に引きこもるなどして側近に幅広い意見を求めなくなった結果、偏った判断につながったという見方を示しました。

また「大統領の判断に疑問や異議を唱えると、昇進できないシステムを作り上げた」とも指摘しました。

さらにバーンズ長官は、ウクライナ側の激しい抵抗が続いているほか、欧米が結束してロシアに厳しい経済制裁を科していると指摘したうえで「プーチン大統領は怒っていると思う。市民の犠牲を顧みず、ウクライナ軍を押しつぶそうとするだろう」と述べ、ロシア軍が攻勢を強め、市民の犠牲が一層増えることに強い懸念を示しました。