国際女性デー ジェンダー平等を考えるセミナーで企業事例発表

国連が定める「国際女性デー」の8日、ジェンダーの平等を考えるセミナーが都内で開かれ、男女ともに働きやすい職場作りなどを進める企業の事例が発表されました。

イギリスの経済誌「エコノミスト」が7日に発表した女性の働きやすさについての評価で、日本は29か国中28位で下から2番目と低迷しています。

こうした中、女性の活躍に向けた取り組みを進める一般社団法人が「国際女性デー」に合わせて都内でセミナーを開き、会場とオンラインでおよそ1600人が参加しました。

セミナーでは、ジェンダー平等や男女ともに働きやすい職場環境作りを進める企業4社の担当者が登壇し、女性管理職の比率や男性社員の育休取得率の向上に向けた取り組みなどを発表しました。

発表した企業の担当者は「女性の活躍のためには男性を含めた社員全体の働き方を変える必要がある」とか「特に企業の中では性別への『アンコンシャス・バイアス=無意識の偏見』は活躍を阻害する要因になるので、自分の思い込みに気づくことができる機会を研修などを通して提供することが大切だ」などと話していました。

ライフイベントと仕事を両立しやすい オンライン専門部署を新設

女性社員が働きやすい職場環境作りについて、社内の取り組みを発表した企業の一つ、大手化粧品メーカーの「コーセー」では、出産や育児などのライフイベントと仕事を両立しやすい勤務形態の部署を新たに発足させました。

この企業では、社員などの半分程度が店頭での接客や販売を担当し、そのほとんどが女性です。

コロナの感染拡大もきっかけとなり、去年9月に、これまでの店頭販売だけではなく、オンラインで化粧品の説明をしたり、メーク方法などの相談を受けたりする専門の部署を新たに立ち上げました。

これまでは店の混み具合で急に残業になるなど、勤務の終了時間が一定ではありませんでしたが、新たな部署では客の相談を完全予約制にして、働く時間が明確になるようにしました。

小学生の娘2人がいるという40代の販売スタッフは「店頭での勤務は、時間が見えずに退勤時間がずれてしまうこともあったが、新しい部署の勤務形態により、毎日決まったスケジュールで働けるので、子育てするうえではありがたい」と話していました。

また、ジェンダー平等を推進する担当者は「結婚や出産を理由に退職してしまう販売スタッフが多いため、時間に制約のあるスタッフが働き続けられる環境を整備し、性別にかかわらず活躍できる会社を目指したい」と話していました。

育休促進のために 社長が直筆署名入り手紙

一方、全従業員の8割以上が男性という大手ゼネコン「清水建設」では、育児参加を促進しようと、子どもが生まれた男性の従業員には、社長が手紙を送って育児休暇取得を促すなどの取り組みを進めたところ、男性の育休取得率が大幅に上がったといいます。

全従業員のうち男性が8割以上を占めるこの企業では、取り組みを始める前は育休を取得する男性はほとんどなく、担当者によると「建設業は男性中心で、性別役割分担の意識がとても強く『育児休暇は女性が取るのが当たり前』という見方が多かった」と言います。

男女ともに育児や家事に参加することが当たり前とする風土を作りたいと、おととしから、子どもが生まれた男性従業員には、社長が直筆の署名入りで育休の取得を促す手紙を送る取り組みを始めました。

さらに上司にも、部下の休暇取得への理解を促す手紙を送り、休暇を取りやすい職場環境を整えました。

また、育児休暇制度について、これまでは無給だったのを、去年10月から最大4週間までは有給とする制度に改革したうえで、休暇取得を希望する部下とは上司が面談して、復帰後の不安を解消するなどのサポート体制を充実させました。

そうしたところ、男性の育児休暇の取得率は2019年には6.3%だったのが、手紙による取り組みを始めたおととしは18.5%に、そして制度改革を行った以降のことし2月時点では41.7%に急増したということです。

担当者は「休暇を取得する期間やタイミング、それに家族に対する考え方も人それぞれなので、制度の導入だけではなく、社員のニーズを細かく把握することを大切にしている」と話していました。