福島第一原発事故 新たに3件の集団訴訟で東電の賠償責任が確定

福島第一原子力発電所の事故で精神的な苦痛を受けたとして福島県内の住民などが起こした3件の集団訴訟で、東京電力に国の基準を上回る賠償を命じた判決がいずれも確定しました。これにより、最高裁判所に上告されていた7件の集団訴訟のうち6件で、東京電力の賠償責任と賠償額が確定したことになります。

新たに判決が確定したのは、原発事故で避難指示が出された、南相馬市小高区などに住んでいた300人余りと、双葉郡などの住民200人余り、それに、避難指示が出されなかった福島市などに住んでいたおよそ50人が、それぞれ起こした3件の集団訴訟で、事故で精神的な苦痛を受けたなどとして東京電力に賠償を求めていました。

2審の判決はいずれも原発事故の賠償の目安となる国の基準を上回る慰謝料を認め、東京電力などが上告していました。

これについて、最高裁判所第3小法廷の林道晴裁判長は8日までに、上告を退ける決定をし、国の基準を上回る賠償を命じた判決が確定しました。確定した賠償額は3つの訴訟合わせておよそ580人に対し、11億円余りに上ります。

原発事故で避難した人などによる集団訴訟は、全国で30件以上起こされていて、今回の決定により、上告されていた7件のうち6件で東京電力の賠償責任と国の基準を上回る賠償額が確定したことになります。

福島市など避難指示対象外地域 一律30万円の慰謝料

福島市などの住民による訴訟では避難指示の対象外の地域としては最も高い1人当たり30万円の慰謝料が一律で認められました。

住民側の野村吉太郎弁護士は「大変画期的な判決だったと受け止めていて、確定の連絡を受けて正直ほっとした。3月11日を前に最高裁が決定を出したのは『争うことをやめて責任を取りなさい』という東京電力へのメッセージではないか」と話していました。

東京電力 “裁判結果に従い誠実に対応”

東京電力はコメントを発表し「事故により福島県民の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけしていることについて、改めて心からおわび申し上げます。最高裁判所の裁判結果に従い、原告の皆さまに対応していきます。引き続き福島への責任を果たすべく誠実に対応していきます」としています。