旧優生保護法裁判で国上告「一時金で責任果たす」厚生労働相

旧優生保護法のもとで不妊手術を強制された人たちへの賠償を初めて国に命じた大阪高等裁判所の判決を不服として上告したことを受けて、後藤厚生労働大臣は救済法に基づく一時金を円滑に支給することで責任を果たしていきたいという考えを改めて示しました。

昭和40年代に旧優生保護法に基づく不妊手術を強制されたとして、関西に住む3人が国を訴えた裁判で、2審の大阪高等裁判所は2月、国に賠償を命じる初めての判決を言い渡しましたが国はこうした判決を不服として、7日、最高裁判所に上告しました。

2審の判決では、不妊手術を強制された原告の女性2人に対する慰謝料は1人あたり1300万円が相当だと認定していて、3年前に制定された救済法に基づいて手術を強制された人に支払われる一律320万円の一時金を大きく上回りました。

後藤厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し「多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術などを受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたことについて、政府として真摯(しんし)に反省し、心から深くおわびを申し上げます」と述べました。

その上で「政府としては、このような事態を二度と繰り返さないよう最大限の努力を尽くしていくとともに、立法府の総意による法律に基づき、一時金を円滑かつ確実に支給することでその責任を果たしていきたい」と述べました。

松野官房長官「心から深くおわび」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「旧優生保護法に基づき、あるいは法律の存在を背景として、多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術などを受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことを、政府として真摯に(しんし)反省し、心から深くおわび申し上げる。このような事態を二度と繰り返さないよう最大限の努力を尽くしたい」と述べました。