国連安保理 米などロシアを非難 “安全な避難ルート設置を”

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を続ける中、国連の安全保障理事会は現地の人道状況をめぐる緊急の会合を開き、アメリカなどがロシアを非難し、市民の安全な避難ルートを設置するよう求めたのに対し、ロシアはウクライナ側が市民の避難を認めていないと反論しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり国連安保理は7日、緊急の会合を開き、現地の人道状況について協議しました。

冒頭、ユニセフ=国連児童基金のラッセル事務局長が報告を行い、ウクライナから国外に避難した170万人以上のうち半数が子どもだとしたうえで「数え切れない子どもたちが心に傷を負っている。親と離れ離れになった子どももいて、暴力や虐待のリスクも高まっている」と指摘し、人道支援を実現するために即時停戦の必要性を訴えました。

このあと各国が相次いで現地の状況に強い懸念を示し、市民の安全な避難ルートを設置するよう求めました。
このうちアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は、ロシア軍の攻撃で市民の被害が増えていると非難したうえで「ロシアは人道支援を制限しないことを明確かつ公的に約束すべきだ」と迫りました。
これに対してロシアのネベンジャ国連大使は、市民への攻撃を否定したうえで「避難ルートは設置されたにもかかわらず、ウクライナ側は市民が街を離れることを許さなかった」と反論し「安全な避難ルートを開くため西側諸国はウクライナの指導者を説得してほしい」と主張しました。

安保理ではフランスなどが人道支援を妨げないよう求める決議案の取りまとめを進めていて、拒否権を持つロシアの出方が焦点となります。